ゲームシナリオライターの仕事  前田圭士

キャラクターを重視したゲームのお手本として天外魔境2、物語性(人物の成長など)を重視したゲームのお手本としてルナ2 エターナルブルーを取り上げ、その工夫点を通して、そのようなゲームをどうやって作っていくのかを述べた本です。

小説や映画などをお手本としたシナリオ作成本ばかり読んできたので、目のうろこがとれました。キャラクター性や物語をゲーム内の戦闘なので表現することは確かに可能だし、ゲームというメディアで遊ぶ以上それこそよく考えなくてはいけないところですよね。

単に、シミュレーションゲームとしておもしろい戦闘を提供するということではなく、キャラクター性や物語性がよく現れるようなセッションギミックや戦闘配置などを考えるのを今後の課題にしていきたいところです。

ちなみにこの本はいわゆるドラクエのようなRPGの作り方に特化しています。村人の台詞の作り方などはTRPGでは参考にならないでしょう。

リエーターズインタビューの個人的な感想

桝田省冶はすごいね。

ゲームでは、主人公の葛藤は眺めさせるものではなく、体験させるものなのだ。

なるほど。でもそれをするにはどうすればいいんじゃ〜!言っていることはすごく本質をついていて納得できる。でも実際にそれをするのは難しいです。

重馬敬はいい人です。

ファンタジーというものは、そういう現実世界に存在する嫌なこと、つらいことに立ち向かう勇気や力を与えていけるものだと僕は思ってるんです。

現実には正義が勝つなんて誰も信じない。でも正義が勝つと信じたい気持ちは確かにある。創作活動を通して、ただ現実の厳しさを認識させることにどれほどの意味があるんでしょう。シナリオライターの良心は大事だと思いました。

さくまあきらはなんというか…

さくまあきらのインタビューは一般的な技術的な話はあんまりしていなくて、経験談みたいなものが多いです。

雪深い山形の広い農家に住んでるんだけど自分の部屋は持ってない子。それがオレの仮想読者、仮想ユーザーなんだ。

ユーザーにこういう子供を想定するのは非常に良心的ですね。どこ見てゲーム作ってんのか分からないゲームが某スクエアエニックスあたりから良く出る気がするけど、クリエーターはこういう気持ちを取り戻して欲しいところ。

芝村裕吏(ゆうり)はコンセプトの人

ここでは、組織でゲームを作る際重要になってくるコンセプトやコンセンサスについて語られています。これも大事ですよね。某スクエアエニックスは(以下略)。