シーン省略のためのハンドアウト ドラマチックなセッションを短時間で運営するために

前回はハンドアウトを複雑にしすぎて失敗したなぁと懲りた僕は、とりあえず簡単なハンドアウトで練習してみることにしました。簡単なハンドアウトとはすなわち、敵とヒロインです。

このシナリオはシステムはやっぱりSWで、奥さんを失った男が奥さんを生き返らせるために人の道を外れ、アンデッドとなって村人を襲うので、その男の娘が冒険者に父の討伐を依頼するという話です。

ハンドアウト1:サイモン=ハムト
半年前あなたが隊商の護衛の任務の最中に嵐に襲われたとき、雨宿りにたちよった村の領主。
美しい妻アブリル=ハムトとともに冒険者を歓迎して暖かい夕食をふるまってくれた。恩人。

ハンドアウト2:セシル=ハムト
近隣の村の領主の娘。
半年前あなたは彼女がトロウ(街の名前)を見物に来たときに案内してあげた。
あかるくて優しい娘。

ハンドアウト3:ハンドアウトなし

本シナリオは短時間でドラマチックな展開を起こしてすっと終わろうということを目標にしました。そのための手段としてハンドアウトを用いることにしました。そのハンドアウトは押し付けがましさを軽減するために選択性にしてみました。すなわちセッション前にハンドアウト1か2どっちか選んでもらいました。


選ばないって選択肢も提示したのですが、誰も選びませんでした。他の人がハンドアウトがある中で自分だけハンドアウトがない場合、自分でハンドアウトを使っているPC並みの動機をつくらないといけないので難しいですね。もしくは、ハンドアウトなしを逆手にとって一人冷めた態度をとるって手もあったかもしれません。でも冷めた態度とってどうするんでしょうね…。それが利点にならないと面白くないですがこの場合はそれをどう生かしたもんか…。

実際のセッションの流れとしては以下のようになりました。

  1. 娘からSOSの手紙をうけとる
  2. 村に向かう
  3. 娘と合流
  4. 父と対決

このシナリオはおおむね成功に終わったと思っています。戦闘での台詞も盛り上がりましたね。しかし、いっぽう参加PL様の感想を聞いてみると、この程度のハンドアウトはいらないのではないかという疑惑も生じました。要はオープニングでこのシーンをやればいいのではないかということです。そういう意味ではこのハンドアウトはオープニングの時間の短縮という意味しかないかもしれないと思いました。もちろんオンラインセッションでは時間が長引きがちなので、オープニングの時間を短縮することは意味がありますし、今回の目的にも適ったものではあるのですが…。
また、もうひとつ指摘されたのは、ハンドアウトだけだといまいちどんな人物だかつかめないというものです。たしかアリアンロッドのルルブにあったハンドアウト運用の助けではハンドアウトを書き、さらにオープニングでそれをちゃんやることを推奨しています。ハンドアウトだけで実際のシーンがないのはさびしいものです。


映画でいうとライフイズビューティフルのように前半幸せなシーンをもってきて後半のハードなシーンとのコントラストを強めるというのは、いい手段のように思えます。よって単にドラマチックなシナリオにしたいということであれば、依頼のシーンの前に幸せにヒロインと交流するシーンをいれると良かったかもしれません。この場合、特にハンドアウトを使う理由はないと思います。

オンラインセッションなどで、時間短縮も目標に掲げる場合、ハンドアウトをシーンの短縮のために使うことは有効だと思います。しかしその場合、すこし味気ないものになるのはいなめないようですね。