PC間対立シナリオ、狙ったけれども、orz

僕がハンドアウトを使ったときのシナリオを紹介していきたいとおもいます。読者が多くなると失敗が書きにくいってのはあるんですが、さまざまなブログ様やサイト様のTRPG知識の恩恵にあずかっている身です。少しでも人の役に立ちそうなことは書いて置くのが報いになるかと思います。

ちなみに失敗っていうのが僕が個人的に思っている失敗であり、セッションが楽しかった楽しくなかったとは別問題です。僕が意図したことが実現できたかできないかが、ここでいう成功失敗の基準なので参加PL様方の抱いた印象とはまた別だということをお断りしておきます。また参加PL様方の行動の責を問うものではもちろんありません。


今回紹介するシナリオのシステムはSWです。以下に概要を説明します。

背景:資金調達と信者の拡大を狙う暗黒司祭が自分の一番弟子をカジノにやり、イカサマで勝たせた上に負けた人を宗教勧誘している。
目的:一番弟子のイカサマを暴き、そこから情報をたぐって暗黒司祭を倒す。

本セッションではハンドアウトを用いました。具体的にはPC1をその一番弟子と友人にして、PC2はその一番弟子に被害をうけた人、PC3とPC4はそれぞれ依頼人とその宗教の被害者をコネとしましたが、今回の反省にはあんまり関係ないので詳しくは述べません。僕はこのシナリオで初めてハンドアウトを使ったのですが、初めて使うくせに難しいことをしようとしすぎたと今では思います。

  旧友   敵対
PC1 一番弟子 PC2

僕はPC達に大きな選択をしてもらうっていうのがいいシナリオの条件だと思います。このシナリオでは暗黒司祭の一番弟子を許すか許さないかそこをPC達に決めさせようと思いました。PC1は友人なんだからなるべく更生するよう説得するほうに行動すると思ったし、PC2は被害にあってるので許さない方向に行動すると思いました。許すほうを選択するにしてもPC1はPC2を言い負かすほどの強い理由が必要です。その理由を語るところが熱いシーンになるのではないかと思いました。また許さないほうを選択したとしてもPC1は旧友との対決という熱いシーンができるはず。そのような目論見でした。


しかし、これは俗に言うPC間での対立を狙ったシナリオで、これを取り扱うためにはかなり高度なハンドリングとPL間、PLGM間での意識のすり合わせが必要です。僕が一番いけなかったのは、その難易度を意識せず、なんとなくおもしろそうだったから実行してしまったことです。


この”暗黒司祭の一番弟子をどうするのか”のPT間での意思決定をセッションの中心に持ってくるならば、PT間で相談するシーンが必要です。しかも、その一番弟子に関する情報はすべて開示されている状況であることが望ましい。これをどう実現するのか…。一ひねりしてそのような状況を実現しなきゃいけないわけですが、このときにはオープニングのあとあっさりその一番弟子とPTを接触させてしまいました。その結果PT間での相談ではなく、個々人がハンドアウトにしたがって素直な行動をとってしまいました。そりゃPC2は一番弟子にひどい目にあわされているので隙を狙ってとびかかるってのが普通ですよね。とびかかった際にいかさまを見破ることができなかったのでその後の展開としてはPC1が一番弟子を色気と酒で陥落するという話になりました。まぁそれはそれでおもしろいんですけど、僕のやりたかったこととは少々違うことです。まぁ逆にGMの目論見どおりPCに動かれると「うぉ〜僕はどこでPCの思考の幅を狭めてしまったんだ〜」とへこむので、GMの目論見どおりに動かないのもいいんですけどね。ただ、今回のはやりたいことのスタート地点にすら立ててない気がするのでいかんです。


今回は、情報→相談→意思決定というステップを踏むはずが、いきなり意思決定をせまってしまい相談というフェイズをとばしてしまった。これが今回の失敗の原因だと僕は捉えています。そういったわけで僕の目論見は失敗に終わったわけですが、NPCへの態度をPC間対立で決めさせるこれはまた挑戦したい題目です。もし似たようなことをしようとしている人がいたらぜひ参考になさってください。


また仲間どうしの小さい対立で意見を強めるというのは非常に有効な常套手段です。よくある例では敵の兵器の少女を殺すか殺さないかなどで、仲間同士でいい争いを行うというものが挙がると思います。このような対立は熱い台詞を生みやすいと思うのでPLのときにも意識したいですね。。


以下が参加者募集の文です。

【系統】 捜査 戦闘
【詳細】
夢と絶望がうずめく場所ビッグドリーム(カジノの名前)その個室で冒険者達は依頼の説明をうけている

警備担当者 「…といったわけでどうもイカサマなのではないかと思うのですが、なにぶん証拠がなくて…」

どうも話によると三日に一度ほどくる客がめっぽう強く腕利きのディーラでも負けがこんでいる。
しかし手つきなどから判断するに多少の経験はあるがそこまで腕利きには見えない。

警備担当者 「魔法や荒事となりますと冒険者の方に手伝ってもらうのが一番かと…」

警備担当者は魔法などでイカサマしているのではないかと疑っている。また、その客は必ず用心棒らしき巨漢をともなって現れるので、下手に手をだすと争いになるかもしれない。そこで担当者は冒険者を雇うことを決めたらしい。

警備担当者 「そうですね…予算はお一人様300rkでいかがでしょうか。経費も全部で500rk程度ならお支払いできるかと…」
警備担当者 「このカジノはお客様の身辺を捜査するなど噂になりますと困りますのでこの件はご内密にお願いします」

………捜査当日………

担当者から目配せされた人物をみて驚く冒険者
「あっあいつが……?」

というところから開始です。

冒険者達の依頼への意識】
今回はちょっとGMの好奇心からハンドアウトという技術を使ってみます。参加者の皆様は以下の設定から好みのものを選んでご使用ください。

コネA エディ 関係:旧友

イカサマ犯と思われる人物はあなたの昔(1年以上前)の職場(アルバイトでも可)の知人です。
彼はいい加減な性格でしたが同時期にその仕事を始めたためによく話したりしていました。
あなたがその仕事を去ったあとの交友はありません。
なぜイカサマ犯として疑われているのか気になるところです。
注)この関係を使いたい方はどの仕事で一緒だったのかを教えてください。彼の性格付けの参考にします。

コネB イカサマ犯と疑われる人物 関係:スリの犯人

1月ほど前の話となりますが、あなたはこの人物に財布をすられています。
はげしくぶつかられてよろめいたので印象が強く顔はよく覚えています。
ここであったが100年目捕まえて反省させたくなります。

コネC アラスル関係:別の依頼主

あなたはこのあたりであやしい宗教の勧誘が行われていると聞いてその調査をしています。
カジノの中で自由に行動するためにイカサマ犯の調査の依頼を受けました。
このシナリオのみ神殿へのコネが使えると解釈してください。
信頼のおける仲間であればこの依頼のことを明らかにしてもかまいません。
解決すればボーナスがでるでしょう。

コネD ガンズ関係:行きつけの屋台の店主

あなたのひいきにしている屋台の味が最近おちている気がします。
原因を聞いてみるとその人の弟が失踪しているらしいので集中できないとのこと。
弟はよくカジノ通いをしていたという話を聞いていたのであなたは何かの手がかりを求めてカジノでの依頼を受けました。
ガンズはあなたに相談したあとも情報収集を続けています。

これらは事件に積極的に関わって欲しくて用意しました。事件解決への動機としてください。