d100のゲーム性?

出目が荒れるとは?

先日、2d6と1d100の違いが話題になった。そのときの話題は「d100は出目が荒れる」と言われるが、それは正確にはどういう意味かということだった。

ダイスの期待値とか分散(だいたい標準偏差と似た意味で使われる)についての基礎は確率、期待値とか標準偏差とか… - ブレーキをかけながらアクセルを踏み込むを参照のこと。

d100の方が2d6より目が荒れるというのは、2d6とd100を同じ範囲の値が出るようにスケールした場合、d100のほうが分散が大きい(=平均から外れた出目が出る可能性が多い)というのが正確な意味であろう。1d100ダメージみたいに値そのものが大事な場合で、これは確かに2d50や4d25より荒れた(=平均から離れた)出目が出るはずだ。

気をつけたいのは、例えば28%の成功ロールを4回成功させる確率というのは、使うダイスの種類にはよらないということだ。これは2d6上方成功判定において4回振って全部9以上が出る確率というふうに焼き直せる。下方成功判定で1d100と2d50や4d25は別物なので、2d50や4d25においてもは28%の確率の成功ロールは出目で28以下になることではないが、いくつ以下になることってのを計算しなおせば、どのダイスを使っても結果は同じになる。

出目ベースで考えると、d100のほうが荒れる、出目そのものじゃなくて、確率ベースに考えると、それは使うダイスには依らないというのがここでの結論だ。30%成功する判定はd100でも2d6でも成功する確率は同じである。

ダイスとゲーム性

また、2d6を使うゲームでは魔法などでよく修正値がつくが、その目標値を上げたり下げたりする意味についても話し合われた。2d6で8以上が成功の判定を7以上が成功となる判定に変えられたら成功確率は16%も上がる。一方10以上で成功なものを9以上で成功に変更しても9%としか確率は上がらない。つまり、2d6ゲームは目標値が7付近の場合に、修正値を上げ下げすることが大きな意味を持つ。このことを踏まえると2d6ゲームでは実力が拮抗する相手(=目標値が7付近に来る)に対して、魔法などで修正を加えるという戦術が戦局を動かすことが分かる。当然ゲームデザインにおいてもこの概念は反映されているだろう。

では、1d100ゲームではどのようなゲームが好まれるのだろうというのが僕の疑問である。先日、2d6をd100にしても本質的な違いはないのではいかと書いたが(新作TRPG - ブレーキをかけながらアクセルを踏み込む)、それは上記の成功ロールを確率ベースで考えたときの話で、魔法などの修正のしかたなどによっては、また違うゲームが立ちあがるのかもしれない。今後はd100ゲームをそういう視点で見てみようと思う。