システムによる上達

standbyさんにネタを振られたので書いて見ます。


振られたネタはどのシステムだと何がうまくなるのかという話だと思いますが、その前にもっとTRPGを巧くなれって論調が好きではないっていう話についてちょっと私見を。

本人のやる気しだい

もっとTRPGを巧くなれって論調がまずい理由は、一言で言えば努力してもある技術を習得できない人、あるいはある技術を習得する努力する気が起きない人に対してプレッシャーがかかるからです*1

まぁこれって結局本人のやる気次第だと思うんです。本人がやる気があるのに、「君には向いてないから努力なんてしないでいいよ」なんて言うのは最悪です。むしろ努力を応援してあげるべきではないでしょうか。本人がそういう遊び方が好きなら、”好きだけどうまくならないからやめる”なんてことにならないと思うんですよね。

そうすると問題なのは、TRPGをやるのに必要そうだけど、自分はあんまり好きじゃない技術をどうするのかってことだと思われます。TRPGをするのにいろんな技術が必要になりすぎているってことは確かにあるかもしれないですね。大まかにいってタクティカルな戦術思考とキャラクターの表現技術は片方しか得意じゃないって方も多いような。

結局のところ、オールラウンダーになるべく努力するというのも一つの回答でしょうし、自分の不得意なところは人に助けてもらうっていうのも回答でしょうし、また、そもそも自分の得意なシステムをやるっていうのも一つの回答です。この回答の多様性が保たれるようにするのが一番であり、どれが他に比べて素晴らしいってわけでもないでしょう。

システム

で、やっとstandbyさんに振られたシステムと上達の関係についてのお話に入ります。

セッションの教育的な効果と言いますと、思い出されるのはAの魔法陣です。この本のロジックでは自分のとった行動が面白いかつまらないかはっきりとした結果がでることをもって教育効果に優れると謳っています。まぁ確かにテストなんかを思い浮かべるならば、平均点周辺のテストより0点か100点かのほうが、自分がうまくやったのがまずかったのか分かりやすいかもしれませんね。でも50点もとれないテストをやり続けるだけの気力が湧くかという問題もあるでしょう。試行錯誤して100点を取る前に止めてしまわないか心配です。

これはAの魔法陣以外でも根本的な問題のように思います。例えばカオスフレアなどロールプレイ支援系システム、つまり良いキャラクターの表現をしたらチットがもらえる系のシステムはもちろんそういった表現の上達効果が見込めると思いますが、そういう表現をするのが嫌いだったり苦手だったりする人に対してまで効果的かというとそうではないように思います。もちろんエムブリオマシンアリアンロッドでタクティカルな思考を鍛えようとしても同じことです。

ちょっと話が脇道にそれますが、ロールプレイ支援系システムではチットやカードなどをよく使いますが、それは成果を分かりやすくする意味で、学習効果が高いと言えるでしょう*2。まぁよくやられるようにそれを戦闘のリソースとして用いるというのが一番良い方法なのかどうかは分かりませんけれども。

さて話を戻してその技術が苦手な場合にはいきなりそれ専門のシステムをやるよりは段階的に進めたほうが良いんじゃないかなぁと思います。そういう意味ではD&DはPCのレベルがあがるにつれ、やれることが増えていくため、常にPLのレベルにあった問題が与えられるという点で学習効果に優れるという話も聞いたことがありますね*3

こう見ていくとやっぱりやる気があるかどうかが分かれ目なように思いますね。やる気があるなら成果がはっきりわかるシステムが良いだろうし、やる気がそんなでもないなら段階的なアプローチをするのが理に叶っているでしょう。