軽いTRPGとTRPGっぽいガードゲーム/ボードゲーム

この記事はボードゲームやカードゲームとTRPGの関係を見直すために書かれたものですが、かく言う僕自身が遊んだことのないゲームの話をするため非常に説得力の薄いものとなっていますw

僕が今日紹介する中にはみなさんがその存在すら知らないものもあると思いますが、興味が沸いた方は是非調べて遊んでプレイレポートを書いていただけると僕は嬉しいです。

軽いRPGとボードゲーム

B.W.さんから興味深いお題が提出されています*1。僕がまとめるにポイントは2つで、以下のようなものです。

  1. 疑問:共通認識の構築という意味で、TRPGは重く手軽に遊びにくいものになっていないか?
  2. 仮説:TRPGの共通認識の構築の部分を軽くすると、ボードゲームライクになっていくのではないか。

このお題については玄兎さんがさらに詳しく考えていますが*2 *3、そもそもこの疑問と仮説はまだどういう条件下でのものなのかが、吟味されておらず、反対も賛成も考えられる状況だと思います。つまり、この疑問や仮説はTRPGの中での比較ではなく、ボードゲームやカードゲームなど分野をまたいだ比較であるため、どういう条件をつけてボードゲームやカードゲームを抽出し、TRPGと比べるのかがはっきりしないので、考えが先に進まないのではということです。

ここでは、この疑問や仮説に答えることから大きく遠回りして、極端に軽いTRPGTRPGっぽいボードゲーム、カードゲームを紹介し、これらの境界を考えるための材料を増やすことを目的とします。

極端に軽いTRPG 〜I wish so〜

まずは、軽量なTRPGの代表としてI wish soを紹介します。僕はこのルールをRPGこわい―TRPGコラム集 (ゲーム・フィールドコミックス)から知りました。

この遊びではPCは1日2回超能力を使える人間になってもらいます。世界設定は参加者の良く知る学校などに設定し、共通認識の構築のハードルを下げます。そしてGMが何か事件を起こし、PCたちに超能力で解決してもらいます。超能力は、○○が××で△△した。というフォーマットの文章を紙に書いてもらい、その文章に書かれた願いが実現するというものです。これだけだとおもしろくなさそうなのですが、ここで一工夫あって、一人のPLが主語○○を紙に書いたら、そこの部分を丸めて他のPLに見えないようにして隣のPLに渡し、そこに××でを書いてもらいます。××を書いた人も同様に、紙を丸めて隣の人に渡し、△△を書いてもらいます。結果○○と××と△△は違う人が書いている願いの紙が人数分できます。その紙を引いてその通りの願いが叶うのですが、ご想像の通りかなりとんちんかんな願いになるようです。

この遊びは架空の世界で共通認識を作り上げていくというTRPGの基本を外さないつくりでありながら、かなり軽快なつくりになっていることが伺えます。TRPGは重いものという認識に楔が打てるのではないでしょうか。

ただし、万人にこの遊びができるかというと微妙なところがあります。例えば学校に対するイメージがあまりに違いすぎるなど、参加者の間で共通の世界設定が通じない場合には遊ぶのが難しくなりそうです。

参考:http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/2217/works.html

TRPGライクな遊び

TRPGとカード、ボードゲームを連続的にとらえてみたいので形式がTRPGっぽい遊びを紹介してみます。ただし、自分で遊んだことはないので、遊びの感覚がTRPGににてるかどうかはわかりません。TRPGっぽさはあくまで主観であり、あなたとは一致しない場合もあるでしょう。

ルーンバウンド・ディセント

スピタのコピタのによく出てくるのですが、”すごろく”とか”いただきストリート”のようにMAPを行き来し、レベルを上げてドラゴンハイロード(魔王みたいなもの?)を倒すゲームだそうです。ドラクエをほんとうにボードゲームでやる感じでしょうか。ルーンバウンドはPC同士で競いあいディセントはパーティを組んで協力するんですかね。いや全然知らないで書いているので怖いのですが。

MAPがあると確かに行動の規範という意味での共通認識は作りやすそうですね。わざわざMAPからはみ出る行動をする人などはいないでしょう。

Last Night on Earth

人間(ヒーロー)側は一人1PCでゾンビ側のプレイヤーと対戦します。

http://heppiri.blog90.fc2.com/blog-entry-32.html#view_commentで、語られてるところによると、『ヒーロープレイヤーがマスを移動する際、必ず1人になるマスで止まらないといけない』ようなイベントカードに、状況ではなく「孤独」という心理がタイトルとしてつけられているところがポイントだそうで、ロールプレイ感が味わえるみたいです。

ボードゲームですが、ボードに書かれたことが全てではなく、架空の世界で行動し想像力が喚起されるという意味でTRPG的な特徴を持ったゲームだと思われます。

Once upon a Time

これはカードゲームです。トランプのように一人何枚もカードをもち、カードを出しながらストーリーテリングしていく遊びですね。エンディングのカードを早く出し終わった人が勝ちということでしょうか。

複数人でストーリーテリングするという意味でTRPGに似ている遊びだと思います。

新世紀エヴァンゲリオンカードゲーム

カードゲームです。このゲーム、どうやって遊ぶのか良く知らないのですが、エヴァの登場人物の一人になって、自分のPCの目標(補完)を達成するゲームみたいです。カードを出すときに台詞を言う必要があるらしく、ロールプレイ要素があります。

他のキャラクターと複雑な人間関係を作ったりするところまである(っぽい)のがTRPG的だと思いました。

まとめ

僕はTRPGの新作・旧作についていくのが精一杯でボードゲームやカードゲームになかなか手が出せませんが、調べてみればロールプレイやストーリーテリングがTRPGの専売特許でもないという印象を持ちます。じつはこれらのゲームとTRPGの溝はそんなに深くなさそうに思うのですが、お互いの交流は十分ではないように思います。

個人的にはオンラインで遊べないのが一番のネックなように思います。残念ですね。

(2009/01/24追記)安田均著のゲームを斬る! から

安田均著のゲームを斬る! (Role&Roll Books)に、RPGっぽい要素のあるカードゲーム/ボードゲームがたくさん載っていた。タイトルのみですが挙げておきます。

スコットランドヤード/フューリーオブドラキュラ

追跡するゲーム、追跡されるゲーム

カタン ニューエントデッカー

カタンでトラベラーのマップ作成とか。

ビトレイアル アット ハウス オン ザ ヒル

館ものでモンスターと戦う。”シナリオ”が付属されておりRPGっぽい。

ブートレガー

クトゥルフで遊ばれるような時代感。