天からの呼び声―ダブルクロス・リプレイ・ストライク2 小太刀右京, F.E.A.R
天からの呼び声―ダブルクロス・リプレイ・ストライク〈2〉 (富士見ドラゴンブック)
- 作者: 小太刀右京,F.E.A.R.,石田ヒロユキ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2008/01/19
- メディア: 文庫
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といっても意識して買わないようにしているのはソードワールドのリプレイぐらいなんですが。ただ、ダブルクロスのリプレイもずいぶん読んだので、そろそろもういいかなぁと思っていました。そういう意味では本書はスルーする予定だったんですけど、なんだか読み物として笑えそうな雰囲気が僕を誘い、つい誘惑に負けて手にとってしまいましたね。
その予想通り、確かに腹のよじれるおもしろさでした。プレイヤーの発言がおもしろすぎるw。
ただまぁそれはみなさん述べているし、あんまりそこを解説しすぎるとサムくなっちゃうんで省略することにします。
ところで今回メタな発言が山ほどあってウケルんですけど、それは必然だと思うんですよね。だって男5人でギャルゲ的な展開とかラブコメ的な展開とかをしているんですよねw。ふざけないとやってられませんw。三田誠氏はがんばってPC発言していますが、それでもたまに”俺”とかでてきちゃってますねw。PL視点が強いということで、演出の話し合いみたいなのも含んでいます。プレイヤーがみんなうまいので面白い演出の勉強用になりますね。
さて、語りの話はこの辺にして、ゲーム的な部分にも触れましょう。ダブルクロスの肝はロイスにあり、ロイスの取り方によって物語の展開が変わるというのは非常に良い手法のように思います。しかし、実はこのあたりルール的な根拠が薄いんですよね。ロイスはあくまでPCが他の登場人物に対してとり、自らの行動の根拠にするもので、展開を左右するフラグとして機能させるには、物語的な要請が必要です。自分がある登場人物に好意的なロイスをとったとしても、その登場人物が好意的な行動をしてくれるわけではないのです。このあたりがもう少しゲームとして整理されるとダブルクロスはもっといいゲームになるんじゃないかと思うんですけどね。
今回どうロイスをとれば話が進むのかについて、ちょっと説明不足だったり説得力不足だったように思います。それに対してPLがとった戦略はものすごくすばらしく、それはそれでいいんですけどね。
ちょっと難しいのでもう少し説明しましょう。GMがPLに課題を出したとき、その説明が不足していたためPLの想像力を刺激しGMの用意した回答よりいい回答が出てきた。それが今回の話です。選択肢を提示して意思決定をせまるというより、見かけ上PLの良い発想を要求する形になっています。今回はうまく回ったのでよいのですけど、制御しやすい形ではないので、真似するのは難しいですね。
戦闘のほうはおもしろいギミックが多くて参考になると思いました。特に二つ目の話での情報収集から戦略を立てる流れは矢野王子がダブルクロスのデザイナーでものすごくデータに詳しいことにもよっていますが、よいゲームを提供していると思います。
ところで本リプレイからサプリメントのラディカルドライブが適用されているのですね。まぁこのサプリメントの強力さはリプレイを読んでもけっこう分かりますね。うーんラディカルドライブほしいなぁ。でもそんなに頻繁にダブルクロスするわけじゃないから迷うところ。
まとめ
まぁ、語りの面白さっていう意味では飛びぬけて面白いリプレイだと思います。ステージがなんでもありということで、こういう設定の下ではGM小太刀右京のよさがでると思います。ただ超展開すぎてついていけないところもありますがw。セッション運営的には矢野王子のリプレイほど学ぶところが多いわけではありませんが、やはり見習うべきところがありますし、総評としてはオススメだと思います。