自分を役に近づけるのか、役を自分に近づけるのか

またもやAラジに触発された記事。でも何分ごろ話してたのか忘れちゃいました。どこだっけかなぁ…。でもまぁ、この記事そのものはAラジの話とはそんなに深く関係ありません。”自分を役に近づけるのか、役を自分に近づけるのか”っていう問題意識を聞いたのがAラジであって、そっから先はグーグル様に頼って調べてたらいろいろあったって感じです。グーグル様の情報検索に頼る時代では”検索にふさわしい言葉を知る”までがけっこう大変なんですよね。

前の記事で、今までの論考は演者としての視点に欠けてないかって問題提起をしましたが、演者としての視点として最初に来るのはやっぱり”役とのシンクロ率”ってやつなんじゃないかと思うのです。それでその楽しさがある上で、うまい下手って問題があって、人にどう表現するのかってことにつながっているのかなぁと思います。ゲームみたいなものは”うまくなって楽しもう型”じゃなくて、”楽しいからうまくなろう型”の考え方じゃないと、やってられないと思うのです。

しかし、役に入りすぎてる状態をTRPGでは嫌う傾向もありますし、自分の考えにいまいち自信が持てませんでした。前の記事のにゃあさんのコメントに対する返答がいまいちなのは、そのあたりの迷いを反映したものです。
今回、やっぱり役と自分の距離を少なくすることってのは悪いことではないよなぁと考えられるようになったのでこの記事を書きました。

http://hm.aitai.ne.jp/~kasuya/nikki/enshutunikki.htm http://hm.aitai.ne.jp/~kasuya/nikki/nikki.8.5.htm

この日記には、自分を役に近づけるのか役を自分に近づけるのか二つの立場のメリットとデメリットが載っています。このリンク先はたぶん演技に悩んだことがあるなら共感できる内容だと思います。ぜひ読んでから以下を読み進めてください。以下は、リンク先の内容をTRPGに関連付けて雑感を述べたものです。

自分を役に近づける立場

これは要するにPCになりきる方向性ですね。PCの性格を頭の中に想定して、それに応じて台詞を言ったりします。自分の体を使ってそのPCの生きるままの姿を再現しようということでしょう。

この方法はもちろんいい方法なんですけど、内面なんてものは本来見えないものですよね。その見えない内面を表現しようっていうんだから、表現のうまさ下手さっていうのが出ちゃいます。表現したいことと表現できることのギャップがある場合、周りからの評価はいまいちなものになるでしょう。声とかも練習もせずにやると単にへたくそになってしまいます。なりきりで不快な思いをさせてしまう場合には、方向性がいかんのではなくて、技術がないことがいかんのだと思いますが、技術がないことにあんまり目くじらたてるのも難しい問題を呼びそうです。遊びでサッカーをやってる時、打てもしないのにオーバーヘッドをやろうとするのもアホですけど、それをへたくそとか言って怒り出すのもまた問題ですよね。チームワークを大切にするなかでやんわり注意してあげてくださいw。

また、リンク先にも書いてありますが、想定外・予想外の事態に弱いってのもいえますね。例えば戦闘万歳の戦士として作ったのに、いきなり恋愛観を問われたりすると戸惑ってしまいます。キャラクターシートの設定に書かなかったことを問われると、思考停止してしまうのです。

あと、自分とあまりに違う存在の内面を想像するのは難しいという問題点もあります。ggincさんは関連記事でドラゴンの例を挙げてますね*1。僕はけっこう女性PCで遊びますが、普通にダンジョンなどを冒険している分にはそんなに困ることはないものの、”これは女性独自の視点がありそう”っていう問題を突きつけられると、固まってしまいますね。

この方法がうまくなる方法は、キャラクターシートを細かく書いたり、100質に答えたりすることだと思います。また、自分の声質を知ったり、物まねを練習したり、台詞と一緒に体を動かす練習をするのも表現力があがるかもしれません。僕がそういうことをしてるわけではないのでわかりませんが。

役を自分に近づける

リンク先でも述べられていますが、ちょっと言葉が変な感じもしますね。自分を役に近づける場合には視点そのものをPCと一致させるって方向性なのに対して、役を自分に近づける場合にはあくまで自分の観点をたもったまま、役を表現するって感じじゃないかと。

これは場面を想像することから入ります。PCの内面はひとまず置いておいて、PCはどんな外見でどういう場所に立っていて何をみているのか、これを想像することで”なんかその場にふさわしい台詞”がでてくるのです。

僕は特に自分と違ったタイプのPCを作ることが多いので、正直こっちの方法じゃないと台詞がでてこないことも多いですね。

この一見シンクロ率とは無関係そうな、役を自分に近づける立場であっても、なんか素朴な感動があったりするんですよね。「今の台詞、このPCがすごいいいそうだっ!ものすごく場に合ったことを言った!」って。PLの視点はPCの外にあるんですけど、すごく場にふさわしいことを言えたときには、感動があります。この場合PCの視点とPLの視点は一致はしてませんが、それでもある種のシンクロ率が高い状態だといえると思います。

僕はこのやり方をPCの内面が分からない時、しょうがなくやっていたんですど、演技するための一般的な手法だと分かったので安心しました。
ただ、この方法だと僕はラノベを読みすぎているせいで、想像力がそっちに引きづられてしまい、悪さをする場合もあるかもしれませんね。どういう空気なのかを読まないと…。あと上の方法と比べてPCの内面を理解しないので、キャラクターの性格が見えてこないという可能性もあります。

あとこの立場で遊ぶ時、ストーリー上の流れまで予想しながらこの立場でやっていると脱線させずらく、小さくまとまってしまう可能性も高くなりそうです。そのあたりも注意ですね。GMしてるときにはPLがGMのストーリに乗るとおもしろくないと思ってるくせに、PLをやるとGMのストーリを超えようとしない。似たようなことですが、この立場はリアクションはうまくとれても、積極的に何かをしかけていくのが難しい気もします。このあたり、僕は自分の遊び方のおもしろみのないところだよなぁって思っているんです。

レーニング方としては、パーティの顔ぶれや関係、どういう配置で座っていて…などPCの外側の様子を細かくイメージすることだと思います。絵を描くのもいいかもしれませんが、絵だと描けるものしか描かなくなってしまう可能性があるのが心配ですね。

まとめ

二つの立場はメリットもデメリットをあるので、自分にちょうどいいバランスをさぐるのがきっといいですよ。