追憶の宴―ダブルクロス・リプレイ・アライブ 矢野俊策, F.E.A.R

前作の感想はこちら。

僕は前回の覚悟の扉はあんまりピンとこなかったのですが、今回のリプレイはおもしろかったですね。

本シリーズの狙い(前置き)

今回のシリーズのコンセプトはなんなんでしょう。とりあえず、今までのリプレイのシリーズを振り返ってみましょうか。

シリーズ名 GM 特徴 参考記事(リンクになっています)
無印 きくたけ ダブルクロスの紹介 無印
ヴァリアント 矢野俊策, 稲葉義明 追加ステージの紹介 ヴァリアント
オリジン 矢野俊策 「子供が大人になる」ことがテーマドラマチック オリジンまとめ
トワイライト 田中天 ウィアードエイジの紹介 ダブルクロスの可能性 トワイライト1巻トワイライト2巻

こうしてまとめてみると、新ステージの紹介目的以外のものは無印とオリジンがありますね。
それらとの差別化はどのようにしていくのでしょうか。本シリーズのテーマを整理してみましょう。

話数*1 タイトル テーマ
Case01 変貌する世界〜Fall on〜 何も知らない主人公がレネゲイドの力に覚醒する
Case02 銀色の瞳〜Elixir〜 ジャーム化
Case03 色あせぬ面影〜Afterglow タイタス
Case04 求めるモノ〜Get Over〜 ジャーム

Case01の”何も知らない主人公がレネゲイドの力に覚醒する”というのが本シリーズのコンセプトを端的にあらわしています。レネゲイドになじんでいない主人公を用意することで、ダブルクロスの世界になじんでいない初心者の読者も、楽しめるようにつくってあるそうです(覚悟の扉のPREPLAYより)。また、こういうPCを実際にやるのは難しいのでしょうね。ダブルクロスの熟練者には、そこをみてくれということでしょうか。

要するに、”初心者にも熟練者にも読んで欲しいリプレイ”としてこういうテーマ設定になっているそうです。

本題

最近前置きが長くなってしまいますね…。文章が長くなるいかん傾向です。まぁそろそろ本題に入りましょう。

追憶の宴では覚悟の扉でレネゲイドの力に目覚めた七村紫帆がオーヴァードとしての生き方の厳しさにぶちあたり、成長をとげていくという内容です。

新キャラのマッドサイエンティスト千城寺薫(PLかわたな)のおもしろさや九条柳也の妹、ミナリと紫帆の文化祭など、見所満載ですね。クライマックスでの戦闘にも工夫があります。

ダブルクロスらしさと、初心者への配慮そしてエンターテイメント性。どれも楽しめる一冊だったと思いました。

*1:Case01およびCase02は前卷の覚悟の扉のほうに収録されており、今回の追憶の宴にはCase03およびCase04が収録されています。