天羅WAR 井上純弌, F.E.A.R
- 作者: 井上純弌,ファーイーストアミューズメントリサーチ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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僕は天羅*1もテラ*2も知らないで買っているので、旧版との違いなどあまり込み入ったことは報告できませんが、初見さんの第一印象レポと受け取ってください。
アルシャードガイアやカオスフレアのルルブは持っていますしF.E.A.R.フォーマットには慣れています。今回も例にもれずルルブの形式はF.E.A.R.フォーマットなので特に読みにくさなどはありません。
世界観
内容的に驚いたのは天羅とテラの文化や宗教、技術にたくさんのページが割かれていることです。初見の人が読むのは大変なくらいですね。
カオスフレアのワールドセクションは5つの主要な文化があって33ページですが、天羅WARのワールドセクションは2つの主要な文化に対して56ページもあります。世界の説明にずいぶんページを割いていますね。データ運用はカオスフレアやアルシャードガイアに似てるという話を某巨大掲示板では聞くのですが(SRS*3使ってるしw)、この設定の厚みは少々違うスタイルで遊ぶものなのかなぁと感じています。セカイ系うんぬんの話にも関係しますが、たとえアニメや漫画やラノベだろうとみんながよく知っている世界観を使う場合は、細かい説明はいらんわけですね。アニメや漫画やラノベを読まない人には話が通じず、深刻な齟齬を生じることもあるわけですが…。こんなにがんばって世界の説明をするのは、背景設定の詳細がキャラクターを作る際に、そしてキャラクターを生き生きと動かす際に重要だからなんでしょうね。
カオスフレアは5つの文化の中から選んで、そこの背後にある基本的な特徴をキャラクターにもたせるわけですが、天羅WARの場合はその一つの文化が充実していて、自分の文化に対しても複雑な態度がとりやすいってことでしょうか。また、サンプルキャラにもいますが、天羅とテラの中庸的な立場をとることもできるようですね。
ルールまわり
今までのF.E.A.R.製品の特徴を多く受け継いでいます。というよりもコメントのご指摘にあるとおりその後のF.E.A.R.社の製品の原型となったアイデアがたくさん用いられています。ここでは、天羅のルールを知らない僕のような方を対象に、他のTRPGが持つ類似のシステムを参考に挙げながら、天羅のシステムを紹介していこうと思います。
因縁 業
因縁:ダブルクロスのロイス
業 :ダブルクロスの侵蝕率
修羅:ダブルクロスのジャーム
因縁 業に関しては、ダブルクロスのロイスと侵蝕率システムを思い浮かべてもらえればけっこうです。高すぎると修羅になってNPC化します。ただし因縁は人以外にもとれて、スタイルの表現にもなります。これはいいですね。また1シーンに一つとれ、たくさんとれそうなのでロイスほどの資源管理は求められないのではないかと思いました。
合気
合気:カオスフレアのフレア
といっても、トランプのスーツは関わってくるものの達成値上昇の値はトランプのカードにはよらず、因縁の強さによります、フレアとはけっこう違うかも。因縁をうまくいかして達成値があがるしくみなわけで、これはおもしろいです。台詞がいいやすいかもしれませんね。
ルールの疑問や心配
因縁、業、合気と非常に面白いシステムですが、少々複雑なように思います。その後のダブルクロスやカオスフレアでより簡易化されたシステムになったのは、複雑すぎたからかもしれません。ただ、これはまだルルブをながめている段階での印象なので遊んでみれば、そう複雑でもないのかもしれませんが…。
他に、少々疑問なのはRPの評価システムがありRP志向なのにやりすぎると修羅となってしまうところです。まぁ気合に変換しないで合気のままもっておけばいいだけの話ですけど。とりあえずかっこよくやればいい番長学園とはちょっと違うのですね。
因縁関係でもう少しのべると形式が整いすぎると遊び方が堅くなってしまう心配がありますね。たとえば、3レベルで因縁を書き換えると4レベルになって有利なので3シーン目で大きなことをおこさなきゃって気になるとかです。まぁそれぐらいがちょうどいいんでしょうけど、ヴァラエティが減ってしまう心配はありますね。似たようなことをしているダブルクロスにも同じ弱点があります。
…しかしwそれにしてもデータが重いですね。初見の人にはそこがとにかく大変だと思いました。
*2:テラ:ザ・ガンスリンガー テラ:ザ・ガンスリンガー - Wikipedia
*3:SRSとはスタンダードRPGシステムの略。アップルベーシック ガープス マギウスに次ぐ汎用システムだって認識でいいのでしょうか? 詳細はSTANDARD R.P.G. SYSTEM