[戦闘美少女感

とりあえずこれは紅茶さんところに書いた自分のコメントに対する簡単な補足みたいな記事。TRPG的にはあんまし関係ないところです。
http://d.hatena.ne.jp/koutyalemon/20070311/p1
のコメントに僕は以下のように書きました。

Fateに関してはセイバーをみてるとたしかに戦う娘さんなんですけど、
奈須氏はヒロインたちの物語に主人公がつきあうという形式に不満を感じ
主人公にもちゃんと自らの物語が欲しいという思いで書いているそうです。

戦闘美少女が一巡したって言ってしまうとちょっとつっこみがありそうなので先につっこんでおきました!

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)

戦闘美少女の精神分析が文庫版で出てるってことは実は知りませんでしたが、僕は随分昔にこの本を読んでいました*1
それでこの本で言っている戦闘美少女の典型例は風の谷のナウシカナウシカとかセーラームーンで、トラウマを持たない清い乙女が戦うケースを念頭においているという印象でした。(もちろん本書では資料としてはもっと幅広い戦う美少女たちを取り扱っていますが、著者はそのなかのあるグループに着目してそれを掘り下げて書いたんだと僕は思っています。)

それで、Fateのセイバーは斎藤環の言っている戦闘美少女とはなんか感じが違うよなぁという印象だけでコメントを書いてしまったのですが、ちょっと僕の書いた文章からそれを感じるのは不可能ですね。だからこのように補足記事を書いているわけです。

ナウシカにしろ、セーラームーンにしろ、そもそも感情移入できる男性が出てこないですよね。セーラームーンをタキシード仮面に感情移入して読むのはかなりつらいでしょう。自分がナウシカだったら…とかそんな仮定で楽しむのはおこがましいかもしれませんけど、ナウシカは自分がそうやって凛として生きられたらなぁ…という憧れの対象なんだと思います。(この解釈は多分戦闘美少女の精神分析の中に例として出てきたと思いますが、斉藤環の言いたいこととはまた違うかもしれません。)
それに対してFateでは主人公として衛宮君がいるし、その彼も最初はともかく最後のほうはぜんぜん無力ではないんです。それに、彼の考え方はかなり極端ですけど、男の子の共感を得ると思います。Fateは何か新しい形式って感じではなく、単純に衛宮君に感情移入して、葛藤したり、勝利したりする話なんじゃないかなぁ。あの話をセイバーに感情移入して読むのは難しいんじゃないと。主人公が守るべきヒロインって言っては言いすぎかもしれないけど、お互い支えあうパートナーの立ち位置ですよね。
要するに物語の消費の仕方としてナウシカFateは全然違うと思った。これが僕がそういうコメントを書くにいたった違和感です。

紅茶さんは続くエントリーのhttp://d.hatena.ne.jp/koutyalemon/20070312/p1にて、さらに詳しい説明をしてくれていますが、まぁ美少女がしようが美青年がしようがオヤジがしようがおばさんがしようがどうでもいいけど、戦闘の有無の話をしたかったわけねと僕は納得しました。そもそも話の文脈的にはTRPGに戦闘ありのルールとなしのルールがあってというところからこの話は始まっていますので、僕のほうが話の流れを見失っていたかも。この記事からリンクが貼ってあるhttp://www.cuteplus.flop.jp/works/gpm01.htmlは、なかなか面白かったですね。

戦闘って何か?敵って何か?それはTRPGにおいても面白いテーマだと思います。何かおもしろいことが思いついたら書いてみたいですね。