カオスフレアのルルブとかリプレイとか

異界戦記カオスフレア (Role & Roll RPG)

異界戦記カオスフレア (Role & Roll RPG)

評判の高いカオスフレアのリプレイを読んだら、やはりおもしろかったのでルルブも買ってしまいました。

カードを使った演技の評価システム

僕が一番関心したのは、あるPCの行動がかっこよかったり面白かったりした場合、他のPCのPLやGMがその演技を評価するシステムです。僕はシーン制を採用した場合、シーンに登場しないPCのPLが暇だという弱点があると常々感じていたのですが、このシステムを使うとそこが解決されそうです。
PCのかっこいい演技などを重視するようなスタイルでTRPGを行うことは、即興演劇に類似点が見出せるのですが、即興演劇でも観客と俳優のコミュニケーションが重要だと言われています。そのような観点からもこのPCの演技をを評価するシステムはおもしろいと思っています。


すこし具体的に説明しますと、カオスフレアではPLはトランプのカードを持っていまして、そのカードを使うと行為判定の結果を自分に有利にすることができます。そのとき自分のスーツ(スペードとかハートとかクラブとかダイヤ)を決めておいて、自分のスーツのカードは他のスーツのカードより、より強く自分の行為判定を有利にしてくれます。
他のPCの行為がかっこよかったりおもしろかったりする場合、自分のカードを相手にあげることができるのですが、自分のスーツ以外のカードは自分にとっては価値のないカードなので積極的に人にあげたほうが有利です。そして、自分の番ではなるべくうまいことをいって自分のスーツのカードを集めると有利です。
このように、他の人の演技を評価するということ自体をゲーム化したせいで、非常に自然に良い演技ひきだされると思います。

PC,NPC間のコネクション

PCやNPC間のコネクションの結び方でも少しおもしろい趣向が凝らされています。ダブルクロスではコネクションで規定するのは自PCが他PCやNPCに持つ印象や感情です。たとえば自PCが他のあるキャラクターに敵意を持っているとか、庇護したいと考えているとかです。
しかしこのカオスフレアでは自PCが他のキャラクターに、どう思われているかというのも規定することができます(ただし規定するときには相談が推奨されています)。これは自PCをどういう立ち位置にしたいのかをより明らかに一緒に遊ぶメンバーに教えることができると思います。
こういったルールを嫌う方もいるかもしれませんが、なんというかそれはこういうシステムが何を目指しているのか、デザインが伝わってないせいだと思います。たぶんデザインが分かるとそのゲームをしたいかしたくないかは別にして、このシステムの優れた点は理解できると思います。このあたりはちょっと書きたいことがたまっているので、今度書く予定です。

世界観に関して

このカオスフレアの世界観は節操ないですねw。
キーワードを抜き出すと、魔王、竜、機械、ミリタリー・武器商人、武士・宇宙戦艦、異世界からの勇者と、これぞなんでもありな世界観です。これは一長一短があると僕は感じました。短所から述べるとこのなんでもあり世界観は参加者の世界に対するイメージを一致させにくいでしょう。つまり、武士が”武士道とは死ぬことと見つけたり”とかっこつけている横で、ミリタリーな軍人は無駄死に感じたり、機械生命は生産性の無駄という判断をするかもしれません。僕はどういう世界感でプレイするのも別にいいと思っていて、武士ものなら武士道にそうし傭兵ものならクールにとか場にあったプレイをするつもりなんですが、こういうクロスオーバー物はどうしたらいいのか、混ざっているが故につかみにくい部分がありそうです。

長所なんですが、このクロスオーバー世界ではたとえば竜と機械が仲が悪いなど最初から各種族間の友好関係が決まっています。これは一番最初のPC間コネクションの指針がとりやすいのではないでしょうか。友好的な関係だったら、さっさと仲良くなればいいですし、非友好的な関係なら評価できるところを探して共闘する準備を整えるというのが基本的な動きになるでしょう。その最初の状況を規定してくれるところはこのシステムにあっていると思いました。

リプレイの感想

他のブログなどでも評価の高いリプレイですが、たいへん面白かったです。
でもなんか書くの疲れてきたな…。気が向いたら加筆することにしておおざっぱにまとめようかと。

華南恋演じるサラは熱い場では熱く、かわいいところではかわいく、全編を通じてうまかったですね。リプレイの表紙の真ん中の娘です。すこしお約束をはずした演技もあり、そこも非常に良かったと思います。こういうのをGMの期待をいい意味で裏切るってやつですね。こういうのが理想とはいえ実際にやるのはなかなか難しいのですが、さすがですね。

F.E.A.R.の社長の鈴吹太郎はしゃべらない車のPCを使っていたのですが、これはすごいですね。この人はアルシャードガイアでは知恵のある杖などもやっていますが、脇役のうまさがひかります。台詞が少ないのに存在感は抜群。さすが社長。

きくたけ演じる小沢瑞鶴は、少々違和感がありました。さっきも書いたのですが、こういうクロスオーバーものの難しさの一端が現れていると思います。まぁもしくはこのきくたけがやっているリプレイはこの時点でルールも完成しておらず、世界観の理解などが少々不十分だったのかもしれません。この小沢瑞鶴の上司の織田信長はいいですね。表紙の右の人物ですが、これは萌えです。小太刀右京氏、あなたは一人ではありませんよ!

王子こと矢野俊策(…ダブルクロス用の辞書をいれていると”おうじ”の変換候補に矢野俊策がでてくるw辞書作成者さんナイス!)演じるイリアはいいですね。表紙の左の少女、ガンドッグプリンセスの名を持つ傭兵王女ですが、ぶっきらぼうな口調できっと男性PLが演じてもそんなに違和感はないと思います(現場をみてないので分かりませんが)。いい台詞も多いし立ち回りもうまいしさすが王子です。ちなみに王子はきくたけがF.E.A.R.社内の内輪ネタで盛り上がっているところをいさめたり、非常にジェントルですね。王子最高です。

三輪清宗氏は一冊で3PCもやっていて、非常にご苦労様です。エリオットの時はうまいとおもいましたね。他の2PCに関してはそんなに……。まぁ難しい立ち回りを要求されていると思うのですがね。


戦闘のルールや戦術など細かいことは把握してないのですが、エースプレイヤーのあつまったリプレイで非常におもしろいし参考になるリプレイだと思います。

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なにから書いたらいいのか(笑) - ポーランド礼賛日記:このリプレイのGMのブログ