Aの魔法陣プレイレポート
Aの魔法陣で遊びました。SDは僕でプレイヤーは4人です。
全員が初めてAの魔法陣で遊ぶというおそろしい状況でしたが、どうにかこうにか無事M*を達成することができました。よくコメントをいただく雪だるまさんやコメントやトラックバックをいただく紅茶檸檬さん(id:koutyalemon)に参加いただきました。CGIのダイスチャットによって行ってA−DICは日常編です。
時間的には4時間で1ターンゲームを2回行いました。行動決定に時間がかかりすぎたっていうのが今回の一番の反省点ですね。
まずはPCの紹介。
おおざっぱすぎる?聞こえません。
最初はルール説明のために一人一人に難易度3のM*を攻略してもらいました。
M*匠バーガーを食べる:難易度3:判定単位100:制限時間30分;1ターン30分:難易度決定の前提 30分(それ以上かかるなら別のものを食う)、日本人の場合:抽出条件は 匠バーガーを食べるのに適したもの
普通の人が普通に匠バーガーを食べる場合の難易度を4としたのですが、部活でぎりぎりの時間になってしまったなど難易度を一回高くしてから工夫して難易度を下げたりしています。こういった面子でしたが、猫渡は匠バーガーの取材をするという名目でたくさん成功要素を出し、これはうまいですね。
千早は電話で予約するという前提変換、犬房は自転車や近道で前提変換して成功要素を出し成功しました。
弓槻はPLがあまり外食をせず、匠バーガーそのものも知らないせいか苦戦しました。コントラバス奏者でファーストフードを食べるのに適した成功要素をあまり持っていなかったせいもあります。ダイスをふって何とか成功という形になりました。
次のゲームはうって変わってかなりハードになりました。
M*無事に生き残る:難易度26:判定単位100:制限時間30分(電車が爆発する?);1ターン30分:難易度決定の前提 30分(つまり1ターン)、日本人の場合:抽出条件は地下鉄から脱出するのにあいそうなもの。
要は地下鉄に乗っていたらテロにあい、そこから無事に脱出してくれという状況です。本当は2ターンゲームにする予定だったのですが匠バーガーでけっこう時間をくっていたので1ターンゲームに変更してあります。
結局行動は
- 犬房が非常用のコックを使ってドアをあける
- 猫渡が登山用にもっていたライトなどを使い走って助けをよびにいく
- 千早と弓槻が協調行動で他の客を落ち着かせ、一緒に脱出する
こういう流れとなりました。
ドアが閉まっている状況設定はSDが設定したもので、これは必ず誰かが開かないと外にはいけないことにしてあります。僕の頭の中ではドアがかしいでいてひねるのにすこし力が要りそうな状況を想定していたのですが、これを伝え損ねていて、SDの考える抽出条件がうまく伝わってなかったかもしれないなぁと反省しています。犬房は身体的な成功要素や携帯電話を灯りの代わりに使うなどで成功させました。
猫渡の行動は基本的に難しいことを前提変換して簡単にすませるという戦略のものです。暗闇の中を走るという行為を登山用の頭につけるライトを持っていることで(猫渡は27才。フリーのルポライターで登山と社会派記事をメインに執筆してる)前提変換しています。
今回のセッションでは成功要素数は10で一人難易度を6とか7とか削らなければならなかったのですが、みなの宣言する行動は非常に常識的だったのであまり単体で難しい行動がありませんでした。そこで千早と弓槻は行動を三つ統合して統合ペナルティを10もらい、それを協調行動で解決するという方針にでました。千早のほうは”人を説得”するのに有利な成功要素をたくさん持っていてそれを生かした行動選択をしているということもあります。弓槻は”地下鉄から脱出”というサバイバルな状況で”コントラバス”なんていう平和な楽器で注目を集めているところがおもしろいところです。
というわけでこう書くと順調にセッションが終わったように見えるのですが、この行動宣言するのにすごく時間がかかってしまいましたね。少し理由を考察します。
SDは基本的にいくつでも質問に答える気でいた。
質問の回数を区切るのは初心者には不親切だろうと思って質問の回数を制限しなかったのですが、延々と質疑応答が続いてしまいました。
順番を決めていなかった
オンラインでは順番は多少前後してもいい、とどこかに書いてあったので、特に順番を決めなかったのですが、それはつまり、誰が先にやってもいい状況ならそうなのであって、今回のようにドアは必ず開けなければならないというような制限がついている状況では逆に誰がドアを開けるのに適しているのが相談が必要になります。時間がかかってしまいますね。
オンラインセッションでは相談するっていうのがけっこう難しいんですよね。”相談”が生じそうな場面は想定しておいて、対策を練っておくといいと思います。
感想から…
以下特徴的な感想をまとめておきます。カッコ内は誰の感想かを記述してます。シナプスが焦げました(PL)
Aの魔法陣は疲れますね〜。特にPLはずっと頭を使っているので大変だと思います。普通のTRPGで4時間で2回戦闘したって感じ、しかも2回目は相当強敵で…ってのをイメージしてもらえればけっこうかと。
SDも疲れるんですけど、これはアドリブセッションのとき感じる疲れと基本的には同じものだと僕は考えます。僕はSWでは何一つネタを練らぬままGMをしたことがあるのですが、依頼の場面で依頼しながら必至に真相を考え、どうやったらPLは納得するだろうと考えて非常に疲れたのを覚えています。Aの魔法陣もPCの行動しだいでどんな流れにもなりますのでSDは”面白くなりますように…”という願いで気疲れします。でもまぁこれは”面白くなるかどうかはPL次第。俺は知らん”と面の皮が厚くなってくると疲れなくなってくる気がします。前提変換が難しい(PLもSDも)
うん。前提変換が難しいです。前にも記事に書きました*1。いろんな事例でどういう感じなのかつかんでおきたいですね。
リンク先の結論をまとめておくと、前提変換とは前提を変更することで難易度を変化させることであり変化させる前の前提はM*に書かれているもの。変化させたあとの前提とはPCが行動宣言する際に申しでたもの。
今回だったら太字の部分が前提変換前の前提。
M*無事に生き残る:難易度26:判定単位100:制限時間30分(電車が爆発する?);1ターン30分:難易度決定の前提 30分(つまり1ターン)、日本人の場合:抽出条件は地下鉄から脱出するのにあいそうなもの。SDにもPLにも腕がいる(PL)
間違いないですね…。やっとルルブの飛行機の例えが実感を持って分かった気がしますね。Aの魔法陣はあんまり普通に飛ばそうと考えないほうがいいかもしれません。普通の常識的な行動宣言は難易度低く見積もることになりますよね。今回みたいにそれを統合とかでうまくやって…とかやるよりも、とっぴな行動宣言して難易度高くてびっくりしたあと、いきなり現実的に考え始めてむちゃくちゃ前提変換して、なんか結果みるとすごい難易度下がってる!みたいな感じがおもしろいのかなぁ。うまく飛ばそうと思ってうまく飛ばして、初めて快感が得られるような気がしますね。
自分の役割を決めておくほうがいい(SD)
これは僕の考えなんですけど、Aの魔法陣は解決策が先にある問題解決なんだと思います*2。つまり自分の成功要素からかけ離れた手段はまずとれないので、自分が取れる手段が先にあって、その手段がとれる問題を逆に作る。これぐらいの気持ちのほうがいいかもしれません。そのときに自分は情報収集担当とか、荒事担当とか、決めておくと特化して成功要素がとれていいってわけですね。
組み合わせように個々の難易度メモしていったほうがいい(PL)
統合をうまく使うときには大切ですね。そして個々の難易度はSDがどういう基準で物事を考えているのか図るものでもあります。*3
GM裁量に基準をつけたルールに思えたが随分と裁量が残っている(PL)
これは間違いないでしょうね。序列の法則とかでも定量的なSD裁量は残るし、抽出条件こそSDの知識や感覚がもろにでますね。SDのよく知らないものは判定できないってことです。まぁおもしろいんでいいんですけどリプレイの”神様が多すぎる”にでてくる<百億の昼と千億の夜>ってどういう成功要素なんだ!何を言っているのかぜんぜん分からないですね〜(笑)。でもまぁ実際問題、”SDがうまく想像できないもの”に対する判定の難しさはありますね。
常識が違うと揉めるのでは(PL)
前のの続きみたいな感じです。ありえる話だと思います。たぶんデザイナーはお互いの常識をつかみ合うために質疑応答があるのですと答えると思いますけど、このあたりも”お互いの常識をつかむ”練習が必要なわけですね。Aの魔法陣をやっていればうまくなるのかもしれませんけど、他のシステムとはちょっと違うスキルが必要になってくるかもしれませんね。