七色の風をあつめて 無限のファンタジア リプレイ 小林正親 井上鮭

無限のファンタジア・リプレイ 七色の風をあつめて (Role&Roll Books)

無限のファンタジア・リプレイ 七色の風をあつめて (Role&Roll Books)

ローズトゥロード*1に続く、小林正親のリプレイです。これ面白かったなぁ。


まず無限のファンタジアの説明を始めましょう。無限のファンタジアはここで行われているようにTRPGとして遊ぶ方法と、PBW(Play By Web)として遊ぶ方法があります。PBWについては説明すると長くなるので無限のファンタジアのオフィシャルサイトを、見ていただきましょう。はじめてのかたはこちら→PBWとは?とリンクをたどって説明をみてください。このPBWってのも興味深い遊び方ですよね。僕は、インターネットを使って遊ぶ、クリエイティブな遊びに興味があるのですが、TRPG関係の遊びが、うまくポストひぐらしのなく頃にひぐらしのなく頃にの次に流行るもの)ならないものかなぁと考えます。


僕は無限のファンタジアに関してはこのリプレイで初見というわけではありません。Role&RollというTRPG雑誌(オフィシャルサイトはここ ここからRole&Roll RPGというリンクをたどりましょう)のRole&Roll RPGのところで見たのが最初でした。What's TRPGってところにプレイ日記があるので、読むと雰囲気が掴めると思います。またリプレイも載っているので興味が湧いたら読んでみてください。
実際にキャラクターを作ってみたくなったら、さきほど紹介した無限のファンタジアのオフィシャルサイトから初めての方へ→やってみよう!というところでWEB上でキャラクター作りが体験できるので興味がある方はやってみましょう。
この無限のファンタジアは特徴あるかわいい異種族(人間以外の種族)がPCとして選べておもしろいですね。僕は特にセイレーンに惚れました。髪が水みたいになってる〜とはしゃぎまわりました(←アホ)。ドリアッドもいいですね〜髪が植物みたいに…(以下略)。まぁそんな風に取り乱すくらいかわいいですね。今回のリプレイでもセイレーンが出てきていて、僕は大満足です。


さて、次の話題はどうしましょう。やっぱり無限のファンタジアのシステムについてかな…って思うのですが、僕はやってもないシステムのデザインを語りすぎな気がします。今回はルールブックすら持ってないですし、僕が気がついた特徴的なところを簡単に紹介するだけにとどめましょう。やっぱり一番の特徴は”グリモアエフェクト”だと思います。何かの判定をするとき、このグリモアエフェクトを宣言すると、旅団(無限のファンタジアではパーティーをこう呼びます)全員でダイスを振り、一番良い出目を採用することができます。また、このとき、一番良い出目を出した人と、”感情”を結びます(好意とか信頼とか)。これによって技能判定も有利になり、仲間とも親しくなることができます。このようなシステムを使うと、仲間との絆が重要視される平和なセッションを表現しやすいと思います。
もう一つ特徴的なのはキマイラ化ですね。これはダブルクロスでいうところのジャーム化に近いのですが、要は半分モンスターになるかわりに力を得ることができます。このキマイラ状態がもう一歩すすむと完全にモンスターになってしまいます。このように、無限のファンタジアでは”元冒険者”というモンスターが出現することがあり、すこし切ないシナリオも表現することができますね。


さて、最近前置きが長すぎるような気がしますが、このリプレイの感想を述べていきましょう。まず面白いのはローズトゥロードのときには突っ込みだと思っていたGMがボケまくってるところです。NPCに話し掛けようとしたら枝毛いじってるってどういうことよ(笑)。任天堂スーパーマリオのネタからガラスの仮面月影先生から、ネタだらけですね。そういうおかしさが満載でとても楽しめました。
また、今回の旅団は旅芸人一座なんですが、みんな戦闘を好まず、まず交渉でなんとかしようという態度が貫かれているのには感心しました。リプレイでは大幅にカットされているので詳細はよくわかりませんが、行く先々でした公演演目を本当に演技してるっていうのもすごく楽しそうですね。僕も劇中劇とかやりたいんだよなぁ。劇中劇っていっても今回みたいに軽い感じの奴がいいですね。劇中劇でメタな視点が…とか言い出すと、よっぽどうまくやらないと作者の自己満足に終わってしまいます。
そうそう、それでクライマックスもこれまたいいんですよ。どうしてこうもうまくはまるんでしょうね。ここは実際に読んでお楽しみください。


GMとPCの掛け合いが面白く、読み物としても大変おもしろい一冊です。小林正親のリプレイはGM/PL技術に走りがちな僕らに、何か大事なものを思い出させてくれると思います。お勧めですね。