「ノルウェイの森」  村上春樹

これはかなり好きです。僕は羊よりこっち派です。
なぜ僕が村上春樹を好きなのかを説明するのは簡単。
行動よりも思考というタイプで趣味が変わっている主人公や
日常につながっている不思議な世界というのは、
ちょっと空想しがちな僕にとって非常に感情移入しやすいから。
しかしフィッツジェラルドの「グレートギャッツビー」とか
ポールオースターの「ムーンパレス」や「幽霊達」を
読むとなんだかほんとうに日常で空想は語れるんだと思った。
(ちょっとボキャブラリが不足してて伝わらないかもしれない)
そう思うと村上春樹の不思議な世界というのは
あるいみ必要ないものだし、それを使わないほうが
優れているような気がする。その点ノルウェーの森は
へたな空想を使ってない点で好きだ。
しかし、この「毒にも薬にもならない」小説のどこがいいのか?
とたまに聞かれる。
ちょっと一般的な答えではないかもしれないのだが、
”文体”というのを挙げられるだろう。
つまらないことも読ませてしまう”文体”というものは不思議なものだ。
柴田元幸なんかもそういう意味で好きなのだろう。

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