ソーシャルブレインズ入門――って何だろう 藤井直敬

ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書)

ソーシャルブレインズ入門――<社会脳>って何だろう (講談社現代新書)

最近脳科学とか、心理学とかの視点からTRPGにおける問題解決の仕組みを考えるのがマイブームです。そんな興味で読んでみました。

ソーシャルブレインズというのは、実験室の中で脳を扱うのではなく、社会的な環境の中で脳を扱う研究分野です。社会的な環境とは例えば自分と他者であり、人間関係の問題などを脳科学から扱えると聞くと非常に面白そうな学問だと思います。

とはいえ、まだまだ発展途上で、この本でも基本的なアイデアと新しく試している実験手法の話ぐらいしか出てきません。まだ”これこれが分かった”といえるような状況ではないようです。よって以下のアイデアは著者が明らかにしたい仮説であってまだ科学として確かめられてはいないことを念頭にお読みください。

認知コストと自由

この前もTRPGにおける自由の話を書きましたが、また自由のお話です。僕もこの話好きですね。。。

この著者は”認知コスト”という概念を提唱しています。これは物事を選択したり、その選択した理由を説明するために脳を使うコストです。脳は低コストを好むと考えられます。

そうすると社会的に受け入れられている行動というのはその選択をした理由を説明するコストが安いので、その選択をしやすいという結論になります。

TRPGでシステムの方向性に従うのも、まずはそうしたほうが楽だからというのが大きいのではないでしょうか。

社会というのは、上下関係があったりします。その上下関係は選択に影響を与えます。そうした文脈で鏡さんの説を再考してみるのも良いかもしれないなぁと思いました。