物語コンテンツへのアクセス構造とストーリーライン
紙魚砂さんの”シーンのアクセス構造”に関する議論は個人的には心震える*1ものがありました。
従来は、原因と結果が積み重なって作られる一つの因果関係の系譜がストーリーラインであると考えられてきましたが、そうじゃなくて雑多で直接は関係ないかもしれない物語コンテンツの断片をなんらかの観点から一直線にまとめたものをストーリーラインとする発想について書かれているんだろうと推測いたします。
その”なんらかの観点”をいろいろ整理してみると、おもしろいことになりそうですね。とりあえず紙魚砂さんは以下のような4つを示しています。
- 階層:このフェーズ、段階で遭遇すべきシーンはすべて終わったのであれば、次の階層のシーンに進む。あるいは、次の階層に行くフラグを立てている場合も。
- 索引:PLがセッション中に立てたフラグ(例えば特定NPCと、あとで会う約束をしていた、とか)に応じて発生するシーンを提示する
- クロスリファレンス:情報収集や思い付きなどで、直接、突発的に「PLがやりたい」という要望がはっせいしたら、それをやるシーンに飛ぶ
- インデックス:上記のどれにも該当しなかったら、とりあえず同階層の次のシーンを発生させる
ただ、この分類はもともとウェブサイトみたいなものをイメージして分類しているため、もうちょい物語メディアにこなれた表現に分類していく必要がありそうですね。索引やクロスリファレンスの内容と言葉があんまり合ってないような気もします。ウェブサイトを例にとるなら、そのページの中にある、興味があるものをもっとよく調べるのがクロスリファレンスでそのページにはないことに興味がある場合には索引ですよね。
もっと整理するとなるとビデオゲームのフラグ処理を参考にすればだいたいよさそうですが、その場合初めに静的にコンテンツを作りきらなきゃいけないという制限の下での議論となります。GMが作ってきた静的なシナリオに書いてあるコンテンツを参照するのを検索とか言うといいかもなぁなんて思いました。
さて、TRPGは動的にコンテンツを作っていけるので、静的なコンテンツに対するアクセスの仕方とはちょっと違う部分もありますね。そうなるとウェブサイトを閲覧するのではなく、ウェブサイトを作成していくようなものにたとえられるのかもしれません。前のキーワードからリンクを張って新しいページを作ってみたいな。
その喩えからいくとコンテンツの作り方にはリンクを貼ってからページを作るのとページを作ってからあとで既存のページにリンクを貼るの二つのやり方がありますね。個別導入っていうのは後者のやり方で、合流してからは前者みたいな感じでしょう。
なんかまとまらなくなってきたのでこの辺でやめますが、面白い話題だと思いました。