ソードアート・オンライン 1 2 川原礫

ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)

ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)

同著者のアクセルワールドがおもしろかったのと、ネットやアマゾンで評判がよかったので読んでみました。

この著者はMMOものが上手いですね。楽しませていただきました。

MMO内に閉じ込められる話としては、、高畑京一郎のクリスクロス*1が有名ですが、その後継者現るといった感じです。

クリスクロスが書かれたのは1994年だそうですが、そのころに比べるとMMOに対する常識がずいぶん変わっているのを感じます。クリスクロスはMMOといってもほとんどイメージはウィザードリーで、ダンジョンハックがメインとなるものでしたが、今のMMOは生産や商売などの要素も強くなっています。

現代のMMOでは、ダンジョンハックや攻略を楽しむ人もいれば美しい自然のグラフィックを楽しむ人もいる。またギルドなどでのコミュニケーションを楽しむというのもかなり一般的ですし、極端なケースとはいえゲーム内での恋愛などもそこまでおかしなことでもありません。この本はそうしたMMOの多様な側面をうまく小説にまとめています。僕はもうあんまりクリスクロスのことを覚えてないのですが、今読んだら多少古臭く感じてしまうかもしれませんね。

オンラインゲームを舞台にした小説ということでクリスクロスの後継と言える作品ですが、現代的なMMO感に則って書かれており、そういった意味で共感できる秀作という評価をさせていただきます。