さよならピアノソナタ 1-4 杉井光

さよならピアノソナタ (電撃文庫) さよならピアノソナタ〈2〉 (電撃文庫) さよならピアノソナタ〈3〉 (電撃文庫) さよならピアノソナタ〈4〉 (電撃文庫)

4巻で完結しているさよならピアノソナタ、読了しました。ライトノベルサイト杯で好評を得ていたようなので*1読んでみた次第です。

親の仕事の代理で音楽評論をしていた少年が、ピアニストの真冬の影響でバンドにのめりこんでいく話です。話の筋はオーソドックスですが、クラシックからロックに至るまでいろんな音楽の薀蓄が話に深みとおもしろさを与えています。

誰が言ったか高校生のはまる三つのBとは、バイク、バイト、バンドらしいですね。その中でも文化系な色合いの強いバンドは、オタクを含め、多くの人にアピールできる題材ですね。バンドの中の恋愛関係なんて興味もこの題材を輝かせます。

この作品に出てくるメインメンバーの高校生4人は少年一人に少女三人ということでハーレム的な雰囲気もありますが、少年の鈍さや意気地のなさで、恋愛は遅遅として進みません。恋愛がバンドの結束を崩してしまうという恐れもブレーキ要因ですね。そんなもどかしさがページをめくる手を加速させます。

音楽やバンドという魅力的な題材をうまく料理していて、どんどん続きを読みたくなるシリーズでした。読んでいてたいへん楽しかったです。