颯爽!デザートナイツ―Replay:エムブリオマシンRPG 清松 みゆき 小玉有起 グループSNE

これは斬新で挑戦的なリプレイです。

リプレイって物語以外の部分の楽しさを伝えるのが難しいメディアだと思われがちですよね。すごいいい戦術をみせても、読者的には「へ〜」ってな感じで読み飛ばされちゃうことが多いかと。

エムブリオマシンっていうゲームはまさにその戦術のおもしろさや、予想外のハプニングを楽しむゲームなので普通に考えればリプレイに向かないわけです。そこをこの人はやってしまってます。

第一話ではページの30%ほどが戦闘に占められていますし、第2、第3話では50%ほどが戦闘です。斬新なほどまでに戦闘にページが割かれています。このリプレイは物語としての面白みよりも棋譜として読むおもしろみのほうが勝っているのではないでしょうか。僕は物語の先を急いでしまい、毎回PCの行動を予想してみたりと棋譜のようには読まなかったのですが、ぜひもう一度読み直してみたいですね。

また、本書はエムブリオマシンを面白くするためになされたGMの工夫が随所に読み取れます。GMとしての参考にもなる本です。あとがきでも紹介されていますが、バトルテックの翻訳者がGMを務めるロボものです。次回も期待してしまいますね。