狼と香辛料 8-9 支倉凍砂

さて、上下巻になっていたので買わないでおいた狼と香辛料。下巻が出たので買いました。とはいえ、正直けっこう惰性で買っているところがあります。経済を小道具とした物語の仕掛けも込み入っているわりにはあんまり冴えませんし、人間ドラマも少し地味かもしれません。それでも、ロレンスとホロの会話は甘ったるい中でもたまにスパイシーで、そこは楽しめていますが…。

あと気になるのは展開です。この小説のメインテーマとも関わってくるのかもしれませんが、ホロとロレンスが寄り道ばっかりしている気がします。まぁホロと別れるのが名残惜しくて寄り道したい気持ちは分かるんですけど、寄り道できない事情をこしらえてそこの葛藤を描いてくれたほうが正等なような。今の展開は情報が小出し小出しにされて、ここにいったらあっちにいけと言われ、あっちにいったらそっちにいけと言われ…と、まるでお使いRPGみたいですよ。もう少し展開にヴィジョンを持たせて欲しいところ。

ちょい追記、これまでの流れの僕の理解

記憶違いもあるかもだけど。

  1. レノスまではホロをヨイツに送ることを旅の目的としていた。
  2. レノスでエーブに騙されたので、ヨイツとは反対方向だが、彼女を追って川を下る。
  3. 川を下っている最中で狼の骨の話を聞く。
  4. 川の下の町、ケーべではおもに狼の骨を求めて行動する。

ホロと一緒にもうちょっと旅を続けたいというところで、川を下りたのは良いのだけど、そっから先には大きな旅の目的がなくて、旅を続けるのが目的となっている。骨を探すのなんて建前でようするにホロとロレンスが旅を続けたいだけなような。

骨を手に入れてどうするのでしょう?旅の目的が旅自体っていうのはしまらない気がするんですけどね。