嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 4 入間人間

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん〈4〉絆の支柱は欲望 (電撃文庫)

このシリーズこんなに続くとは思いませんでした。がんばって続いていますね。

本作品の雰囲気は、一言で言うと西尾維新の戯言シリーズのものと似ています。向こうは戯言ですが、こちらの主人公は嘘つきですね。まぁ嘘だろうが戯言だろうか、こう中二病的な（笑）過剰な自意識な現れです。嘘ですとか戯言ですとか読者に断ることは、事件に対する語り手の態度、読者に自分はどういう人間にみられたいのかを表しています。語り手が聞き手の予想を先回りする形で釈明を続けていく形式なんですね。

その戯言をいう自分、嘘をつく自分との距離感をどういう風に変化させていくのかみたいなことが気になっています。そろそろ記憶が薄れてきているものの、戯言シリーズはこのあたりがいまいちだったような。

こういった中二病との付き合いに対して、おもしろい答えをだして欲しいです。

全体的にはそういうノリですが、今回のネタは密室殺人ですね。ミステリはこういったノリによくあっているはずなのですが、密室殺人というミステリの王道を４巻まで使わなかったっていうのは面白いですね。

今回はまーちゃんはあんまり出てこず、読者に人気のありそうな、ノートでしゃべる伏見柚々がでずっぱりです。この伏見柚々の”普通さ”というのが、途中でいい味になっています。主人公とはおもしろい対比でしたね。

一番残念だったのは”上下巻（だぶん上中下巻ではないと思う）”で話が完結しないところです。くそ〜知ってたら続刊が出てから買ったのにぃ。

解決編に向かういいところで話が切れていますので、期待せざるを得ないですね。