月曜日は魔法使い シェリーマザノーブル, 森永みぐ, 滝野原南生

月曜日は魔法使い (HJ文庫G シ01-01-01)

月曜日は魔法使い (HJ文庫G シ01-01-01)

ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイガイド 月曜日は魔法使い - きまぐれTRPGニュース - trpgnewsグループを見てもらっても分かりますが大人気ですので、読んでみました。

この本は分類に困る本ですが、”D&Dの体験レポート”だと思うのがいいと思います。D&Dの販売元、Wizards of the Coastに勤めている女性がTRPGって何っていうところからこの遊びにはまっていく様子をアメリカ流の比喩たっぷりに楽しく語っています。非常に珍しいタイプの出版物で新鮮でした。

D&Dは遊んだことがありませんが、クリーチャーの説明や魔法の説明、遊んでいる風景の描写からD&Dの楽しさについてはちょっと知ることができました。やはり、フィギュアとフロアタイルがあるのはいいものですね。位置関係をはっきりさせることにより、ゲーム的な楽しさはもちろんドラマも生まれるでしょう。何か事件が起こってから立ち位置を決めたのでは起こらないハプニングが発生しますね。

この本を読んでしみじみ思ったことは”初心者にはいいGMをあてよう”ということです。D&DにおいてはダンジョンマスターDMですが、著者のDMのテディはDMの鏡ですね。読んでいるだけで名DMぶりが伝わってきます。PLが脱線しすぎていて、ゲームに集中してないとき”怒ってはないよ。ただ残念なだけだ”という顔ができるのとかはすばらしいですねw。また、初心者相手にDMをするときには、”質問が多くて楽しい”とか、いいDMっぷりを垣間見せます。

僕は一応TRPGって何なのかは知っているわけで、入門書としてこの本を読んだわけではありません。しかし、この本によってTRPGをやりはじめたときに感じた楽しさを思い出せて良かったです。キャラクターを生み出す楽しさ、危機一髪になるスリル、仲間との助け合いそういった素朴な楽しさを改めて思い出してしまいましたね。

もちろん、この本を女性が書いていることは重要ですけれども、男性でもTRPGが怪しくて、変で、やりたくないものだと思っている人はいるでしょう?性差の話を超えてTRPGにありがちな食わず嫌いを克服する話だと読みました。