煌夜祭 多崎礼 山本ヤマト

煌夜祭 (C・NOVELSファンタジア)

煌夜祭 (C・NOVELSファンタジア)

本書は、2006年ライトノベルサイト杯で、優れたファンタジーと評価されていたようですので、買ってみました。最近では同作者が本の姫は謳うを書いていますが、そちらも評価が高そうですね。

舞台は3重に丸くならんだ列島で、最初に地図がついているのですが、そもそも興味をそそる形をしています。うまく地図を使って、すばらしい雰囲気作りをしています。

絵は山本ヤマトが担当していますが、電波的な彼女とはまた違った重厚な味わいをかもし出していますね。表紙に描かれているのは語り部という職種の人間で、仮面をかぶって物語を話し金や食料を得ています。語り部があつまって夜通し続く”煌夜祭”で話された物語からなる短編形式で本書は進んでいきます。
そして、その短編が合わさり、一つの大きな物語になっていく見事な構成です。

世界観、構成、そしてもちろんひとつひとつの物語、どれも力の入った渾身の一作だと思います。なかなかオススメですよ。