嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 1〜2 入間人間

ヤンデレブームの時(一応今もそうかな?)、買っておいたのですが、今まで積んでおりました。
僕はギャルゲー畑の人なので*1、”ヤンデレ?いまさらかよ”って感じもあってそこまで積極的に読もうとしていませんでした。
ところで、さすがにいないと思いますけどヤンデレの意味を知らない方はwikipediaの該当ページを参照してください。

意外なことに、僕はあんまりヤンデレ属性はないらしいですよ。
正規ヒロインを押しのけてまで好きなのはFate/staynightの桜とかかな。
Wikipediaにはなんと源氏物語における六条御息所まで挙がっていますが、彼女なんかも好きです。
最近アニメ化して流行ったSchool Daysに代表的なヤンデレが登場するそうですが、ゲーム・アニメともに未チェックなんですよね。ゲームのほうは店頭で見るたびに買おうかどうか悩んだ時期もありましたが…。

そんなヤンデレものとして、そこまで期待せずに読んだのですが、本書はわりとよかったですね。想像以上におもしろかったです。さっそく2巻も買ってきまして読ませていただきました。

最初のほうは、嘘を媒介にした、コミュニーケーションなのか自己満足なのかわからん微妙なやりとりの他、やっぱり起こる連続殺人事件などをみまして、”劣化西尾維新かよ!”と思っていましたけど、最後の最後の展開はけっこう好きで、ちょっと感心しました。

幸せってなかなか難しいですよね。今、自虐の詩が流行ってますけど、傍から見て不幸としか思えない人が案外幸せそうだったりするんですよね。

若いころって(僕は今でも若いですがね!)、壊れていることに憧れたりします。その他人をぶっちぎっちゃっているところがすごくみえるからでしょうか。しかしそういう憧れを素直にだすと、あまりの中二病さに耐え切れず、登場人物に共感しづらくなりますね。
本書での”壊れたまーちゃん”の取り扱いに関しては、壊れているところをわりとネガティブにちゃんと描けているところなどは好感です。

TRPG者にはわかりやすい話だと思いますが、ダブルクロスにおけるジャームとか天羅WARにおける修羅とか、そういった存在はつまらん存在なのですよ。行動原理が決まってしまっていて、こちらからいくらコミュニケートしようとその本質は変わらない。
壊れているっていうのはそういうことで、つまらん存在なのです。

ヤンデレ書として読みましたけど、この壊れたまーちゃんには特に萌えません。その病んだまーちゃんの傍のうそつきみーくんの心模様が本書のおもしろみですね。ただのヤンデレものではないので、興味がある方はお読みください。

*1:なんの畑だよw