ウォーハンマーノベル 吸血鬼ジュヌヴィエーヴ ジャックヨーヴィル 藤沢涼, 小林尚海, 朝月千晶
ウォーハンマーノベル 吸血鬼ジュヌヴィエーヴ (HJ文庫G)
- 作者: ジャックヨーヴィル,クリステルスヴェーン,藤沢涼,小林尚海,朝月千晶
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2007/09/29
- メディア: 文庫
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前の巻でジュヌヴィエーヴにはまってしまい*1、2巻目に挑戦しました。既にウォーハンマーノベルかどうかは関係なく、小説としての魅力だけで読んでいますね。
今回は”流血劇”、”永遠の闇の家”、”ユニコーンの角”の3本の短編が収められています。
どの話もおもしろく、ジュネ様のいろんな側面が見れるのですが、やはりドラッケンフェルズから時期が近く、共通の登場人物も多い”流血劇”がおもしろかったです。
この話は、”ジキル博士とハイド氏”および”オペラ座の怪人”へのオマージュとなっていますね。こういう古典的な構図を使いながらも、新しい認識にたどりつかせてくれ、感動できます。
人はなぜファンタジーを求めるのか。やはり何らかの人間の善性の具体的な現れを期待してではないのか。そんなことを考えさせられました。
現実にはないか、もしくは見えにくかったり、評価されにくい善や勇気、そういったものが、ほんとに具体的な形をとり、それによって奇跡が起きるのが物語りのいいところだと僕は思います。
”永遠の闇の家”は変わった話でしたね。アダムスファミリーみたいなものを思い浮かべればいいのかなぁ。まぁこれはコミカルでなくもっと怖いんですけど。
”ユニコーンの角”はジュネ様の豊富な職歴がどうやって作られるていくのか知れる作品ですね。吸血鬼ってほんと銀に弱いんだなぁ…。そしてジュネ様のいいところは銀でなく人間にも弱いところ。
僕は普段、ライトノベルばっかり読んでいますけど、この吸血鬼ジュヌヴィエーヴのシリーズはそれなりに重厚で満足感があり、それでいてボリューム的にはそこまででないので楽しめています。やっぱりドラッケンフェルズがおもしろいですけど、あれを読んだなら続きが読みたくなると思います。