Rune Warsがすごい件 ―物語論準拠のTRPG―
せっかくコメント欄にまりおんさんがきましたし*1、Rune Warsの第一印象を。
まぁとはいえ全部読んだわけじゃないんですけどね。
ルーンウォーズでは、各プレイヤーは自分なりの物語を作っていくことで、ゲームを進めていきます。丁度、連歌やショートストーリーを代わりばんこに掲示板に連載していくような要領で、各プレイヤーは代わる代わる「次の物語の展開」を作成し、次の人に順番を回していきます。
(中略)
プレイヤーが付け加える物語を作る時は、まず以下のようにして作られる短い文を幾つか用意します:(プレイヤーが担当している)キャラクターを主部とし、
既に物語りに登場している人物・存在・事物から何か一つを選んで目的部とし、
キャラクターシートから、好きなアトリビュートを一つ選び、それを述部として
文をつくります
(例を略)
こうして作られた文を、行動宣言と呼びます。次に、プレイヤーは一つ一つの行動宣言について、それが成功したか、失敗したかをサイコロを使って判定します。
最後に、成功した行動宣言を集めて、それらの間をうまくつないで物語を作ります。
これをみて、感心してしまいました。なんて物語論的!
物語論?
まぁ物語論って言ってもいろいろあるし、僕が人に分かるように説明することはできないんですが、ちょっとがんばってみましょう。
みなさま、文章と物語の違いはなんだと思います?ちょっと例を出してみます。
文章:ボールを投げた。飴舐めた。
物語;ボールをなげた。舐めている飴を落とした。
ちょっと例が悪いのかもしれませんが、物語というのは二つの文の間に、時系列の関係および、因果関係が認められる一連の文章とされています。*2
さきほどのプレイヤー向けチュートリアルを読んでRune Warsは物語の構成法に自覚的で、それに基づく物語創生をゲーム化したものだという印象を持ちました。
僕はもっとアリアンロッドやソードワールドみたいに、普通のファンタジーを取り扱うルールだと思っていたのでこれは驚きましたね。
数学的用語に満ちているのはそれはそれで個人的には面白く感じるのだけれど、TRPGのルールとして誰にでも読んで貰う文章には成ってないかもしれない。まぁ遊ぶに際してはその辺は無視して良いのだが。
(中略)
国産海外同人商用をひっくるめて、現時点のstate-of-the-artなTRPGルールだとは思うので、是非覗いてみる事をお勧めする。ただ、駒場祭(だよね、11/23,24って)までに理解出来るかというと難しいかもしれんなぁ、と自分では思ったり。
あと、例えば最近のゲームシステムとかでいうと、「Aの魔法陣」とかと比べて誰か議論してくれないかなぁ、とか思ったり。
Deck of Many Things
物語論の本とかってちょっと読みにくい形式で書かれているんですよね。物語ではなくメタ物語を取り扱うとどうしても難しくなってしまうってことでしょうか。
それと、僕もAの魔方陣との類似性を感じました。とりあえず、ここまでのルールって非データ型ですよね。どういう世界観をもってきてもこのルールで遊べるはずです。
Aマホと同様、ちょっと理解するまでが大変なルールだと思いますけどがんばって読んでいきますね。
*2:物語論―プロップからエーコまで (文庫クセジュ)による。でもこの本僕は積読中なので細かいつっこみには答えられませんw