ドアーズ 1 神坂一

まいじゃーさんで褒められていたので*1、買ってみました。
神坂一に関してはスレイヤーズの第一部までは楽しく読んでいて、それにつられてロストユニバースやなりゆきまかせのストレンジャーとかも買っていましたが、その後ぐだぐたになってきて買うのをやめていました。

もうスレイヤーズの印税で十分食っていけるだろうし、正直終わった作家だと思っていたのですが、本作では新鮮なおもしろさを提供していて、驚かされました。

なりゆきまかせのストレンジャーではあきらかですけど、著者はふつーの感覚を持った主人公が異世界で活躍する話を得意としております。スレイヤーズもあるいみそうですよね。ヒロイックなファンタジーに日常的なボケとつっこみとお気楽をもたらしたのが、あの作品の新しさだったかと。

今回もおおまかに言えば、ふつーの感覚を持った主人公が異世界で活躍する話と言うことができます。今回は逆に変わったのは世界のほうで、主人公だけが変わらなかったという話になっています。

今回の最大の魅力はこの新しい世界の荒唐無稽さで、ほんと笑わせてくれます。単語をぬきだすと”高度な妹文明”とか、カオスフルな語に彩られます。

前述したとおり、作者はファンタジーと日常の常識の違いに関しては第一人者なんですよね。ものすごい変な話なんで、受け狙いの作品とみることもできるかと思いますけど、僕はこのテーマこそ、著者の本質なんじゃないかなぁと思いました。

まぁそんな堅苦しい話を思い浮かべることはない、ほんとおもしろおかしい一作です。気楽に読んでみるといいですよ。電車の中で読むのが危険なほど笑える作品なんでそこは気をつけて。