とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード 竹宮ゆゆこ

軽くエロい、甘甘な二人に、にやけてしまう一冊。

これはスピンオフってことで要するに外伝だと思ってもらえればけっこうです。ラノベって本編は本編と外伝で展開するのが伝統らしいですね*1
本編の高須と大河から離れて、富谷幸太と狩野さくらのカップリングでストーリーが進行します。

外伝は基本的に気楽な話になることが多いのですが、本作も例にもれずです。本編のほうは人物の二面性に重きをおいたつくりになっているのに対して、本作では裏表のない二人の恋愛模様が描かれます。そのあたり、僕にはちょっと物足りないものもありました。二人とも性格があまりに一面的かなぁと。ただし、よく言う”人間が書けてない”とかいう感じはせず、中学生的な悩みなんかには共感できます。全体的にほのぼのとした雰囲気で進む本作は悪くはないんですけどね。北村の描写も本編は高須から見た北村像が書かれていますけど(というか高須はあんまり北村に注意を向けてない?)、本作では幸太が見た北村像になっているんですよね。その辺おもしろいところです。

いちおう本作はラノベサイト杯の結果(2007年上半期ラノサイ杯結果ページ(シリーズ部門))をみて読んでみた本なんだけど、ちょっと結果の見かたを誤解してたかな。12票も入ってるけどこれは本編4巻とスピンオフあわせての票なんですね。

個人的にはこのスピンオフはそうでもないかなって感じなんですけど、本編のほうはすごく好きですよ。