ジョン平とぼくと 2と3 大西科学, 銀八

よく出来た世界観。心地よいぬるさの中に鋭さもある良作。

この前一巻を読んだばかりなんですが、世界観にはまってどんどん読んでしまいました。
前回の感想で絵のことには触れませんでしたが、この絵がけっこうかわいいですよね。僕は特に3巻に出てくる榊雨弓(さかきあゆみ)が好きです。3巻の表紙の左に大きく書いてある人です。

さて、1巻の感想にも書きましたが、本書はもともと第32回惑星開発大賞を読んで気になってた作品です*1。3巻まで読むと、あそこで取り上げられる意味がすごくよく分かりますね。

なぜ今バディ物

最近けっこうバディ物を見かけますよね。僕もバディ物と銘うって考察を書いたこともあります*2

でも実は、”なぜ、今、バディ物?”というバディ物の現代性をよくわからないまま書いていました。

その回答はこの作品にあります。ゼロ年代の想像力とかの関係で僕が興味を持っていることで、作品のおもしろさとは別のことなので解説してしまいます。バディ物のおもしろいところは、”二人でお互いの行動を律しあう”という側面です。一人では暴走したり、行き詰るところを二人なら解決できる…これがバディ物のおもしろいところで、たしかにこれは決断主義の効果的な解決法となるでしょう。なるほどね〜。

前回ウイッチクエストの話をしましたが、ガーブスリボーンリバースやルリルラバディ物…パートナー物ですよね。一人だと解決できないことを二人なら解決できるっていう構造は、こういったシステムを遊ぶときにおもしろいのではないかと思います。ぜひ考えてみたいところですね。