電脳コイル第一印象

オープニング

第一印象ではキャラデザイン鬼頭莫宏*1かと思ってしまった。
ほんとはそうでなくて、本田雄*2イノセンスとかの人なのか、へぇ〜。

僕は、鬼頭莫宏なるたるが期待したわりにあまりにつまらない結末だったため、この手の終末感にかなりネガティブな印象を抱いています。なんかぼくらのが売れているらしいけど、まったく見る気になりませんね。

設定が見事

ネガティブな印象からスタートしましたが、見ていて設定の巧みさに感心しました。本作には"電脳メガネ"というアイテムが登場します。
昔から特別なものが見えるっていうのは、くりかえしファンタジーのネタになってきました。妖怪が見えるメガネといえば、”ふ〜ん”とみなさん納得していただけるでしょう。
電脳メガネは、これの電子版に相当し、このメガネをかけることで電子的に妖怪を見せてくれます。
もともと街のどこからでもネットに接続し、情報を得るためのものだったのですが、娯楽のためリアルな電子動物なども登場しだし、メガネをかけた状態では、どれが電子生物でどれがほんとうの生き物か分からなくなっているような状況になっています。

ちょろっと見ただけなのでまだわかりませんが、物語の方向性は、バグに由来する妖怪たちなどをめぐる物語になるようですね。

このように、古代の伝説とコンピュータを結びつけるお話は、たくさんあります。
実際、linuxのプログラムの名称に顕著で、daemon、ghostscript(psファイルを表示する)とかawk(これは関係ないかな)とかいろいろあります。そもそもプログラムのエラーを表すbugって虫のことですしね。
このあたりの設定をうまく使っている小説もあります*3
TRPGで言うとシャドウランはこういう想像力に支えられていますね。
うーん、結局のところファンタジー世界の魔法を”人の知の産物”として描いた場合には、これは象徴的には科学のことですし、逆に科学を魔法的に描くってのはかなり正攻法です。

では、このアニメの新しいところは何なのかという話になりますが、まずは世界観の可視化の仕方が新しいですね。メガネのアイデアはほんと秀逸だなぁ。トトロのような日本的な妖怪のイメージしたのも目新しいですね。しかも、この世界観は近年のユビキタスという概念から言うと、現実と地続きにあります。ユビキタスなコンピューティング環境から、類推される近未来像を力強く描いている優れたSFだと思いました。

コメント欄でのご指摘のとおりユビキタスをユキピタスと書いていました。お恥ずかしい。しかもこれ前にも同じ間違いをしたような気がします。お馬鹿ですね〜。ご指摘感謝。