ファンタジーと現実と…

ゲド戦記には、白人の文化に対する批判やル=グウィンが感じるフェミニズムが書かれていると言われていまして、どうしても現実世界とファンタジーの関係について考えさせられます。僕はなんとなく、現実世界に結びついた設定のファンタジーは高尚でいいファンタジーのような気がしていて、今日はそれについて書こうかと。そういえば現実とファンタジーの関わりという意味では、ブレイブストーリーも考えさせられる内容でしたね。

現実とファンタジーを結びつけて考えることに、反対意見もあります。現実世界を記述するためのファンタジーはファンタジーとしての力を失う。おもしろくない”って意見です。

こちらのサイトの方の意見も考えさせられます。

抽象的な話をしていても進みませんし、SWをやっている人には身近な問題だと思いますので、ダークエルフを例に挙げて考えてみましょう。白い肌を持った高潔なエルフと黒い肌を持つ邪悪なダークエルフ。シンプルに現実と結びつけるんなら、これは白人の黒人差別ですね。Wikipediaにも書いてあります。

ファンタジー作品に「悪の存在」として肌の黒いダークエルフを登場させることは、現実世界における有色人種差別を連想させるものとして批判されることもある。
ダークエルフ - Wikipediaより引用

ただし、ダークエルフが邪悪とされているという設定が黒人差別にあたるのかというとそうではないと思います。ダークエルフが差別されているということから、何かの事件の犯人だと誤解されてしまい、その誤解を解く話にすれば、それは差別を批判的に描いていますよね。また、物語中徹頭徹尾ダークエルフが迫害される話を書いても、読者がそこに違和感を覚えるように書いてあれば差別批判となり得ます。描き方にもよる話です。この手の話はそういう複雑で難しい問題があるので、ある表現が差別表現だとか、そうじゃないとかには立ち入らないことにしましょう。

ここでは、もっと気楽に”現実の何かと対応づけられる問題は身につまされるので物語を面白くする一つの方法なのでは?”というぐらいの立場をとらせていただきます。TRPGをするときライトな遊び方も楽しいですけど、ヘビーな展開も欲しいですよね。
特に悪意はないのですが、デリケートな問題ゆえご気分を害された方がいらっしゃいましたら、大変申し訳ありません。また、この件を考えていて思ったのですが、現実的に置き換えたらどうみえるのかを人に強要するのは非常に問題があると思います。自分で調べる分にはけっこうなんですが、この手の話を人にすると無神経な話になってしまう可能性も高いです。気をつけましょう。

非常に分かりやすい例なのでダークエルフに話を戻しましょうか。一般的にダークエルフが邪悪とされている世界ではどういう風に接したら自然なのでしょうか。日本人は肌の色による差別にはわりと鈍感ですよね。そもそも日本人以外と接する機会が少ないです。ダークエルフは…世界によっては政府が悪い種族扱いしてるくらいだから、そのあたりを想定したらいいんでしょうかね。なんかアメリカとかだとありえる感じだ…。これはつきあいづらいですね。もちろん個人のレベルではいい人がいると頭では分かっていても、なかなか…。ダークエルフと友好的に付き合うってのは現実的に考えるとけっこう困難ですね。

ちなみにTRPG遊戯会のハウスルールではダークエルフやゴブリンやコボルトなんかもPCとして選ぶことができ、政府も人権を認めています。20年前から認められたという設定からすると…一応建前としては、積極的に差別するのはまずいと誰しも認めているって感じでしょうかね。こういう価値観の転換は経験してないからなかなか想像しがたいなぁ。

カオスフレアのおもしろいところは文化の衝突です。

この5つの文明はオリジン(豊かな世界)を求めて競争しあっています。
この考えたの違いをうまく現実に当てはめてイメージしやすくできないでしょうか。
一番簡単なのはネフィリムアメリカ、富嶽=古い日本みたいなイメージですよね。
…でもあんまりこれ以上話が進みませんね。
文化の衝突はアメリカ人なんかはうまく想像できるのかもしれませんが、日本で日常生活を送っているとなかなかうまく想像できませんね。あんまりにも大げさすぎてうまくイメージがわかないため、結局アニメ・ラノベ的な想像力を駆使して遊ぶしかないという現状なのでしょうか…。むずかし〜。

要するに、僕はカオスフレアのいろんな文化の対立を現実の何かに対応させ、アニメ的ラノベ的な想像力の中に、リアリティを回復させ、大人が真剣に考えられるようなシナリオつくり、キャラつくりに生かそうと思ったのですが、現実の対応物がうまく見つからず挫折してしまったというところです。

何か言いたいことがある文章ではなく、はじめから考えながら、調べながら書いていますが、思いのほか結論がしょぼくなってしまいました。もう少し調べてみて出直したほうがよさそうですね。

まとめ

ファンタジー世界の事情を現実世界にあてはめて想像するとどうなるか…いろいろ考えてみました。
リアルな状況を思い浮かべると、身につまされてどういう感情が浮かぶのかイメージはできるものの、コミュニケートを阻害する方向にばっかりイメージを膨らませると、楽しくはならない気がします。

また、アニメ的ラノベ的想像力によって生まれたものを現実的に肉付けしようと試みましたが、失敗に終わりました。もっとよく考えてから書かなきゃいけませんね。