人類は衰退しました 田中ロミオ, 山崎透
- 作者: 田中ロミオ,山崎透
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/05/24
- メディア: 文庫
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平成生まれのお友達のために、この作者のおにいちゃんのことをちょっと語っておきましょう。
このおにいちゃんは、口の悪い人たちや、自分のことを悪く言いたがる人たちから美少女ゲーまたはエロゲーと呼ばれるゲームを作っていた人ですよ。
このゲーム内では、大きなお友達の妄想から生まれてきた、どうみても18歳に満たないおねえちゃんたちがいっぱい出てきて、主役の男の子をちやほやする日々が繰り返されます。そしてだいたい、お父さんとお母さんに聞くとなかなか返答が帰ってこなくて、逆にどこでそんなことを聞いたのか聞き返されるえっちぃことがお話の中心となります。
作者はそんなおにいちゃんなので、お菓子をくれるからってついていっちゃだめですよ。
まぁそんな戯言はともかく、僕は田中ロミオのシナリオが好きで、ロミオ買い*1を続けてきました。田中ロミオ=山田一説を信じるならば、山田一時代からずっと買っていますね*2。
ちょっと彼の作品を並べてみます。古い作品については軽くネタバレを含むのでやる可能性がある人は読み飛ばすこと。
加奈〜いもうと〜
全国のお兄ちゃんが涙した加奈です。その昔、エロゲーはプレイヤーの思うがまま、妄想を実現するところに力点が置かれていたのですが、この作品では主人公の必死の看病にもかかわらず加奈が死ぬという劇的なシーンがあります。何だかんだ言っても最後はハッピーエンドを予想していたおにいちゃんたちの涙はキーボードを濡らし、たくさんのキーボードが壊れました…といったらさすがに過言ですが、あのときに受けたショックはここでは言い表せないほどです。
家族計画〜絆箱〜
明るい家族計画といいますと、経済的な理由や社会的な理由から子供の数を制限するために用いられる使い捨ての道具のことを指しますが、ここで言われている家族計画とは赤の他人が集まって家族を作る計画のことです。本作はこの擬似家族の波乱万丈な生活を描いた名作です。
CROSS†CHANNEL
田中ロミオの代表作と言っていいでしょう。うーんネタバレが怖くてあんまり中身のことは言えませんが、とにかく日本のノベルゲームを代表する作品だと思います。最強のジュブナイルゲームです。
神樹の館
この作品は和風の妖怪館ものって言ったらいいでしょうか…。あまりに幻想的な表現が多いせいか、あんまり受けはよくなかったような…。雰囲気が楽しめないときついかもしれませんが、わりと正統派で好きでしたよ。
ガガガ文庫について
ところでこのガガガ文庫…出版社は小学館ですが、わりとエロゲーからシナリオライターを引き抜いていますね。原田宇陀児もそうですし、ニトロプラスの作品もでています。講談社の奈須きのこにも当てはまるノベルゲーム業界から小説業界への移動ってやつの一環でしょうか。この傾向が続きますとノベルゲーム業界は大丈夫でしょうか。ノベルゲームでは小説では施せないような仕掛けを施すことが可能なので、ぜひノベルゲームで映える作品を期待したいんですけどね…。
やっと本編とあとがきの話
本編は緩慢に滅びつつある人とそれに代わって人類となった妖精さんの心温まる交流ストーリ…というか妖精さんと遊んだだけというか…。妖精さんとのかけあいはさすがノベルゲー出身と言えるかもしれませんね。かなり洗練されています。
表紙は可愛いし、全体的に話もほのぼのとしているんですけど、背景はわりあいブラックユーモアに溢れていて、まぁ大人向けですよw。中学生の社会にでてくるレベルの歴史は知っておいたほうが楽しめると思います。
エロゲーにはあとがきっていう概念がないので、あとがきで初めて田中ロミオの地を見ることができました。なんか予想外に気さくな人ですね。本編もおもしろかったし応援がてらはがきでも出そうかな。
田中ロミオ作品を通してラノベ読者とエロゲプレイヤーの交流企画が盛んみたい。便乗しときます。
こちらはライトノベル読者に薦めるエロゲ集
こちらはエロゲプレイヤーに薦めるライトノベル集