pulpⅢ 森橋ビンゴ
- 作者: 森橋ビンゴ,隼優紀
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/07/29
- メディア: 文庫
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pulpの三巻で完結編です。
一、二巻の感想*1脚注に置いておきます。
え〜と、これはいかんですね。ひさしぶりにいかん小説を読んでしまいました。
作者のあとがきでも作品に自信が無いさまが伺えますが、物語の展開も非常にありがちで、説得力もないです。ぐだぐだですねぇ。言いたいことと物語の関係もしっかりしておらず、結局何なんだと思います。
ここから先は、すこしネタバレで感想を述べていきます。まぁ作者もダメとわかっている以上、いまさらダメなことを責めてもしょうがないんですが、はっきりさせておくことも必要でしょう。
たぶん、作者の書きたかったことは、嬢と彰が結局自傷癖を通じて繋がっているところで、そういう悪癖も時に大事なんだ。人間は綺麗なだけじゃなくて、むしろその汚いところを通して絆を持てるんだってことだと思います。その結論だけは納得できるんですけど、じゃあこのⅢ巻の話はそれとどう繋がってるんですかと言いたいです。
この話中で、嬢は精神的にも格闘の腕でも成長します。でもそれが生きるって言えば生きてるんですけど結局、その力で事を成し遂げるわけでもないんですよね。そんな成長しても結局何にも変わらないんですよってことが言いたいのだろうか。
最大の黒幕が何を考えているのか全然わからない。主人公に立ちふさがる障壁として、どういう考えの違いがあるのか、対立で何をぶつけあってるのかそれが全然はっきりしないところが特にいかんと思いますね。
まぁあとがきの雰囲気から伝わってきますが、作者はとにかく書ききることでいっぱいいっぱいだったようです。苦い経験をしたと思ってがんばって欲しいですね。