狼と香辛料 1と2 支倉凍砂

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

ライトノベル関係で、はてなのリンクをたどっていくうちに、最近この作品が好評なようなので読んでみました。


この作品の目新しい点はやはり、主人公が勇者候補の少年でもなく、斜に構えたひねくれ名探偵でもなく、現実的だけどどこか優しい旅の商人だというところにつきると思います。
商人の話だけに、どうやったらもうかるのか、小難しい話がでてきます。商品を安く買って高く売る、これが基本なのですが、お金自体を取引するというのは少し難しい概念ですね。でも、ちゃんと分かるように説明してあるので特に問題はなさそうです。全然わからんという感想も少ないようです。


僕は他にこの物語が、”物語の展開の基本に忠実”なところに好感を持っています。基本とは「うまくいきかけて失敗する。でも失敗したからこそ決定的な逆転のチャンスをつかむ」です。この構造は非常に盛り上がる上に、失敗が無駄になりません。ひいては物語に不要な部分がなくなり、すんなり読んでいけます。


目新しいが奇をてらっているわけではない、読み応えのある作品だと思います。