DIVE!! 森絵都

DIVE!! 上 (角川文庫)

DIVE!! 上 (角川文庫)

DIVE!! 下 (角川文庫)

DIVE!! 下 (角川文庫)

著者は2006年、短編集『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞を受賞しており、最近もっとも注目されている作家の一人だと思います。
僕は彼女の作品を読むのは”つきのふね”*1についで二作目ですね。本作と前作では随分雰囲気が違っていて、著者の懐の深さを感じました。


これはものすごく面白かったです。僕がここで拙い感想を書いてしまって、つまんなそうって人に思わせちゃったらどうしようって思うくらいです。


DIVE!!というタイトルの本書ですが、水泳競技の高飛び込みを舞台に様々なバックグラウンドや性格をもった中高生が、悩みながらオリンピックを目指す話です。
高飛び込み個人競技で、勝ち負けなど非常にシビアなスポーツです(本作を読んで初めて考えてみたくらいのマイナーなスポーツではありますが…)。
このシビアなところをどう乗り越えるのか、乗り越えられないのか…実生活には競争があふれていますので、みなさん一度は苦しんだことがあるとは思いますが、その経験を思い出し、目頭が熱くなることでしょう。僕は何度もそう思いました。


登場人物も個性的で、素直な人、ひねくれた人、豪快な人…いろいろいます。彼らがそれぞれが挫折し、苦悩し、それでも”自分の”高飛び込みを探していく様は非常に胸を打つものがありました。


こんな拙い感想で、本書の面白さが十分に伝わったかどうかわかりませんが、とにかく夢中になって読める一冊でした。すごくお勧めですね。