灼眼のシャナ 2-8 高橋弥七郎

灼眼のシャナ〈2〉 (電撃文庫) 灼眼のシャナ〈3〉 (電撃文庫)
灼眼のシャナ〈4〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ〈4〉 (電撃文庫)

灼眼のシャナ〈5〉 (電撃文庫) 灼眼のシャナ〈6〉 (電撃文庫) 灼眼のシャナ〈7〉 (電撃文庫) 灼眼のシャナ〈8〉 (電撃文庫)

昨日、実は下書きで人には見えないようにコメントアウトしてシャナの話を書いていたのですが、日記には見えなくてもキーワードには登録されていてシャナのキーワードで着てしまう方が…もうしわけないですね。もうすこし文章を練る予定でしたが、しょうがないので隠さず書くことにします。


シャナに関しては前に1巻は読んでいてわりと渋い感想でした。*1すこし補足すると、まぁこんなに一杯表紙並べていることから分かるように僕はいとうのいぢが好きなわけですが、でも小説は本文で勝負して欲しいって気持ちがあるのです。挿絵は大事だけどあくまでイメージの補助であって欲しい。絵の人気でここまでなったのではなく本文のすごさを見せて欲しかったのですが、1卷を読むだけではそこまでは伝わって来ませんでした。


しかし、まぁこれだけ人気があるものを1卷だけ読んで判断を下してよいものか…少し迷いましたし、とらのあなで平積みされていて『とりあえず3巻まで読んでみよう』とか宣伝文句が書いてありましたので、よし試してみるかという気持ちになり購入。で…3巻まで読んでみたのですが…


酷い!


いや内容の話ではなくてですね…3巻ってむっちゃ切りが悪いんですよ。4巻読まなきゃ気持ち悪いってことですぐ4巻まで買いました。くそぅ、とらのあなめ…商売上手だな…。4巻まで読むと…ほぉ…なるほどなるほどってことでだんだん面白くなってきて、結局次の巻次の巻と買い求めることになりました。今は9巻まで読み終わっているのですが、話のまとまりの関係で8巻までレビューします。


灼眼のシャナは1卷は比較的単純な展開ですけど、大作の序章にすぎません。巻が進むにつれ複雑な話が展開されていきます。僕は決していとうのいぢの人気のみでもてはやされているわけではないと思いました。とりあえず、これから読む人は4巻を区切りにおもしろいのかつまらないか判断しましょうね。



ここからは全力でネタバレでいくので読んでない人はここまでにしておきましょう。

8巻までの流れは

  • 1卷 悠二とシャナとの出会い

世界観の説明と全ての起点となる悠二とシャナとの出会いが描かれます。
炎髪灼眼…とか、ネーミングセンスが光りますね。

ここで一段落します。マージョリー・ドーとシャナは戦いを経て、以降の強敵との戦いで頼りになる仲間になるという少年誌的な展開です。少年誌的な展開…こう言うと聞こえは悪いかもしれませんけど、僕はこれ好きですよ。非常に熱いですね。4巻の最後にラスボス的な組織の存在が提示され、物語の方向性が決まります。


僕はここでアラストールを含めラミーや悠二の母、千草など大人が出てきていることが重要だと思っています。悠二もシャナも青すぎて幼すぎて、そのままでは感情移入しにくいのですが、千草の危うい二人を見守る立場は共感できるものです。この視点が加わることで物語に深みが加わりますね。


また、悠二の不在→敗北・苦戦、悠二の存在→勝利というパターンを繰り返されているので悠二とシャナの絆がどう深まっていくのかが全巻を通してのテーマなんだなってことが分かります。”弱くはなるが悪くはない”これですね。

この巻は一番好きな巻ですね。シャナとラスボス組織との因縁を描いています。このタイミングでこの話ってのが非常にうまいと思います。またアラストールの過去なんかも匂わせていて期待をもたせますね。

  • 6巻7巻8巻 教授との戦闘と吉田さん躍進

知的好奇心だけではた迷惑な行動をとる敵、教授との戦闘の話なのですが、それより重要なのは不遇な立場(2巻とかかなりきついですよね)だった吉田さんがここにきて大活躍するということです。1卷から強制的に非日常に巻き込まれてしまった悠二が日常に触れます。2巻からずっと作ってきた友人達との伏線もここでいっきに回収され、大満足でした。なるほど佐藤と田中がマージョリーに関わっていることを悠二が知らないって状況をひっぱったのはこうしたかったからだったのか。非日常(シャナ)、日常(吉田さんとか)の間で揺れ動く悠二が見ものです。

まとめ

1卷では悠二とシャナという関係性だけだったのが巻が進むにつれ親のような視点や日常―非日常という軸が設定され、どんどん話の深みが増していきます。今後アラストールの過去などが明らかになっていき、ますますおもしろくなることが期待されますね。話に無駄がなく、プロットがしっかりしているという印象をもちました。