ハリーポッターと謎のプリンス

ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)

ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)

ハリーポッターシリーズ最新作。今ごろ読み終わりました。
でかい本は通勤のとき読みにくいのでタイムリーな時期は逃してしまいましたね。


もともとハリーポッターシリーズは映画でのエマ・ワトソン演じるハーマイオニーに惹かれて読み始めるというかなりミーハーな動機でしたが、作品自体の面白さに取り付かれ今では一作一作楽しみに読んでいます。


映画公開が同時期だったので指輪物語ロードオブザリング)とよく比較されますが、僕はハリーポッターの方が好きですね。単純に時代設定やかかえている問題が現代的で共感できるからです。ブレイブストーリー*1のときちらりと書きましたが、すぐれたファンタジーには現実的な問題をうまい例えを使って共感させられる強さがあると思います。ミヒャエルエンデのモモとかもあきらかにそうですよね。


本作品の感想に入りたいのですが、ハリーも魔法学園に入ってずいぶん経ち死線をくぐりぬけずいぶん成長してることが伺えます。親友のロンやハーマイオニーまでが色恋にうつつを抜かしている中、ひとりまじめで誠意がある態度をとり続けていますね。それでもハリーもそういうことに興味がないわけではないというそういう複雑なところもうまく書かれていると思います。こういった大人になりつつある主人公達の恋愛模様も今回の見所のひとつですね。


ハリーポッターシリーズ共通の魅力といえるのですが、ミステリー仕立てになっているので、気になってどんどん読み進めてしまいます。今回はハリーがお古として手に入れた独創性が高い書き込みがしてある教科書の本当の持ち主、不思議なプリンス(Half-Blood Prince)が誰なのか、ハリーたちは推理を重ねながら物語は進んでいきます。僕も大学の図書館でたまに書き込みを見かけることがありました。計算式の間違っているところが直っているとかはいいんですけど、下線が引いてあって「…ここがわからない」とか書いてあるだけだとただの汚れですね。あんまり教科書の書き込みを好意的に思ったことはないですけど、今回のような感じだと浪漫がありますね。

あとはネタバレでどうしてもいいたいことがあるので、読み終わった人は反転させて読んでください。

今回、あの人が死にましたが、すごい喪失感を感じました。
物語の中の人物の死にこれほどの喪失感を感じさせられるっていうのは大変なことだと思いました。
殺され方からしてそれでも僕はどっか生きてるんじゃないかなぁって希望を持ったりもするのですが、どうでしょうね。
物語的にはあれだけハリーが成長しているので、もうあの人に頼らず自分でしっかりやらなきゃいけない段階に来ています。そういう意味ではやっぱり生き返ったりしないんだろうな…。

次の巻が最終回になるはずですが、すごく楽しみです。