天使のいない12月 leaf

かなりネタバレです、気をつけて。




このゲームはどれも基本的に悲しい話で真に幸せになる話なんてどこにもない。
でも僕はこのゲームにすごく惹かれた。たぶんそれはSEX描写だと思う。このゲームでは人とのつながりを求めるためだけにSEXする。こういう気持ちって分かる気がする。愛とかなんだかよく分からないけど、抱き合っていると安心する。ただそれだけを求める行為。自分は好かれてる。人に嫌われていない。そのことを確認するだけの行為。愛とかをたてまえとしたSEXより、こっちのほうがよっぽどしっくりくる。あと登場人物の嘘吐きぶりもいい。僕は素直な登場人物の設定は嫌いだ。例えば正義感が強いやつっていうのは正義感が強い奴にあこがれる弱い奴だっていうほうが説得力がある。そういう意味はここにでてくる人物はみんな一筋縄ではいかない人ばかりで楽しかった。

それは永遠でなく
真実でなく
ただ、そこにあるだけの想い……。


こっちのほうが永遠とか真実とかよりほんとうな気がしてしまう。なんか将来の話をしたあと別れるカップルは多いとか聞いたことがあるけど、二入でいるときに、「将来は子どもが二人いて、僕は学者になっていて君が仕事を続けてるかどうかわからないけどきっと幸せに笑っているよ」とか言い出したらたまらなく嘘くさい。
今ここにあるのはいろいろな気持ちが交じり合った想いでしかない。
でもそれを大事にすべきなんじゃないかと思う。それに名前をつけたところできっと嘘になるようなそんな気持ちがほんとうなんじゃないか。もっと極端に言えば、愛より肉欲のほうがほんとうに相手を欲しいって気持ちなんじゃないかと思う。


単純な好みで言うなら須磨寺雪緒が好き。coolで万能ながら死にたがり。でも死にたがりっていうのもただ死にたがりなわけじゃなくてむしろ正反対の気持ちの裏返しっていうのがさらにいい。


でも面白いのは麻生明日菜のほうかな。恋愛っていうのはきっと相手よりも恋愛したいという気持ちのほうがほんとうなのかもしれない。


葉月真帆もおもしろい。今はやりの友達夫婦ってこんな感じかもしれないなぁ。僕も友達夫婦を望んでいたんだけど、ちょっと考え直してしまう。


榊しのぶは最後のシーンは綺麗でいいと思うけど、わりと典型的な人格のような気もするので特に言うことがおもいつかない。


栗原透子はいいんだけど、最後にまわしたせいか僕が文章を読むほうの集中力が低下していて、感情が鈍っていたので残念ながらあんまり言うことがない。


まぁそんなところだろうか。