ねじまき少女 パオロ・バチガルピ, 鈴木康士, 田中一江, 金子浩

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF) ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)

化石燃料が枯渇し高騰し、その代わりをバイオテクノロジーでまかなっている世界像が新しく感じた。

ただし、この話そのものは救いもあんまりないし、物語として夢も希望もない感じなのでこの著者の他の作品を読みたくなるかというとそうでもない。ねじまき少女、エミコの受動的な生き方からの離脱を描いているようにも見え、そのあたりはマルドゥックスクランブルのバロットに似ているところもあるが、いまいち救いが足りない気がする。

アジアに対するものの考え方もなんか西洋人が考えたいかにもな人物像といった感じもする。もちろん分かりやすくしないといけないことも分かるのだけど。。。仏教的な価値観をそのまま使うのではなく、仏教はこの世界においてどう変質しているのかとか、そういうところまで踏み込んできてくれれば納得できたのかもしれない。

興味深い本ではあるけど、あんまり僕は好きじゃないですね。