穢翼のユースティア August

批評空間で好評だったようなので購入しました。Augustは今、調子の良い企業なのではないでしょうか。フォーチュンアテリアルはアニメ化されていますね。

ただ、僕はアニメのフォーチュンアテリアルを見て、ちょっとオーソドックス過ぎるかと思っていましたので、あまりAugustの作品に興味を持っていなかったというのが正直なところです。

この穢翼のユースティアはジャンル的にもダークファンタジーということで、ちょっと珍しい路線だという印象を抱いたのが購入欲を助けましたね。まぁ実際のところは劣悪な環境で生活しているという意味では確かにダークファンタジーですが、例えばブラックサイクのようにグロい表現があるわけではなく、良くも悪くもあくまで不快にならない範囲での描写にとどまっています。

内容は評価が高いだけあって、シナリオには読ませるものがありました。楽しくてどんどん読み進めていけましたね。ただ、読者の度肝を抜くような驚きや感動があったかというとちょっと物足りないところがあったと思います。これは最後のエンドが若干ハッピーとはいかないところがあることを問題にしているわけではありません。世界とヒロインどっちを助けるのという問題は、新鮮で心を抉る問いなようで実のところよくあるネタであり、それへの解答が平凡すぎるということを問題にしています。

天使の羽、翼人が出てくるところで、keyのAirを思わせたりもしますが、じゃあAirほどの演出があるかというとそうでもないのです。

楽しめた作品ではありますが、良作であっても傑作ではないというのが僕の感想となります。