ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説 十文字青

ぷりるん。~特殊相対性幸福論序説~ (一迅社文庫)

ぷりるん。~特殊相対性幸福論序説~ (一迅社文庫)

どうもすごい内容らしいという噂を聞いて読んでみました。確かにすごい内容でしたね。

表紙の4人とあともう一人大事なヒロインがいるハーレムものなのですが、そもそもかなり大事な最後の一人が表紙にも表紙裏のカラー挿絵にも人物紹介にすら絵が出てこないとか不思議なことになっていますし(まぁ裏表紙に後姿だけあるんですが)、ハーレムものっていっても女の子がみんなおかしくて、恋愛するにはかなり厳しい。なかなかすごい小説でしたね。

さて、インパクトの話じゃなくてちょいマジメな話もしましょう。ギャルゲの形式を考えると友達から恋人に移行するっていうのが自然な流れだと思うのですが、今回の話では恋人から友達へみたいな、セクシャルな関係からノンセクシャルな関係への変遷が綺麗に描かれていて、すごく良かったです。

あとちょっとネタバレかつ少々ネガティブな感想なのですが、女の子が別れたあとの男の気をひくために他の男としてしまうっていうのは、男にとってはほんと苦しいですが、まぁ良くあることなんじゃないでしょうか。僕は経験ありますよ。今回はなかなか激しいケースとはいえ、あの程度で不能になっているようでは、修羅場は潜り抜けられないような気がします。依存症とかなんとか言ってますけど、若いときの恋愛なんてたいてい依存症ぎみだと思いますし、そんなに特筆すべきことでもないかもしれません。また、こういったリアルの話はどうでも良いとしても、こういうことの”過激さ”では少女漫画のほうがまだ一歩上を言っているような気がします。すごく新しい感性だとは思いませんでしたね。

実はエロゲにはネトラレというジャンルがあって、それが好きな人もいるんですけど、ラノベにはまだその波は来てないようですね。来てどうするって感じもしますけどwまぁでもラノベの読者が高齢化するとそういう需要も出てくるのかも知れないなぁなんて思いました。