ダブルクロス・リプレイ・ジパング(2) 日ノ本ビッグバン 田中天

相変わらずおもしろかったです。このダブルクロスのステージ、ジパングでは戦国大名に世界中の神がとりついて悪事を行っています。その設定の破天荒さにほんとに笑わせてもらいました。田中天氏のリプレイはもうこういったことが芸となってしまっているので、最初に読んだときよりは驚きに欠けてきていますが、それでもおもしろいです。

田中天氏のすごいところは破天荒さと深慮が同居しているところで、織田信長の正体にはうならされましたね。まさにピッタリの神様がでてくるので、神話に詳しい方は期待してもよいと思います。

設定だけではなく、物語のほうも綺麗にまとまっており、プレイヤーの力量を感じます。

ところで、このジパングというステージですが、GMとしてシナリオを作るためにはなかなかの知識が要求されるように思います。戦国大名の知識と世界中の神々の知識のどちらもが必要になるからです。自分がこのジパングで遊ぼうと思った場合にはこのあたり苦労しそうです。このリプレイのように作家集団で遊ぶ場合には世界の神々の知識や戦国大名の知識はそれなりに常識でしょうけど、一般で遊ぶ場合にはそうもいきません。自分で調べてそれをプレイヤーにわかりやすく説明する必要もでてくるので準備が大変そうだなぁという印象を持ちました。

そうなってくると、誰もが知っているオーソドックスな神やオリジナルな神などで遊んだほうがいいのかもしれないですね。ほんとはいろいろ調べたほうがジパングのポテンシャルを生かしたセッションになるとは思うのですが。