忌火起草 チュンソフト 中村光一

忌火起草 解明編 - Wii

忌火起草 解明編 - Wii

チュンソフト中村光一って僕らの世代からすればカリスマだけど今はどうなんでしょうね。若い人はドラクエを作った人だって知ってるのかな。こうしたサウンドノベルの系譜でも、先駆的な仕事を残しています。初代のサウンドノベル弟切草とか楽しかったですね。なんかエンディングが思い出せないのでクリアしてないような気がするんですが(こらこら)。

まぁそれはともかくサウンドノベルの最先端、忌火起草終わりました。まず感心したのは、俳優さんがしゃべる言葉と画面に出る文字と過去ログがそれぞれ違う文章なことです。

普通のノベルゲームのインターフェイスでは、しゃべる台詞も全部文章ででるんですが、忌火起草では俳優さんがしゃべる言葉は画面にはでません。画面に出る文字には、主人公の内心や印象、描写が入ります。そして過去ログには台詞も含めてすべての情報が入ります。

こう書いてもあまりピンとこないかもしれませんが、目で文章を追いながら同時に耳では俳優さんの台詞が聞こえるというのは、新鮮な体験で、確かに”サウンド”ノベルですね。非常に臨場感があります。

弟切草からつづく工夫ですが、文章と音楽が主、画像が副という関係が徹底されているのも良いですね。画像は怖いんですが、俳優さんの”目”がうつらないようなフレームワークが多く、あまり絵で特別な印象を与えないようになっています。目が映るときは本当に目のまわりのみとかで驚きを表す場合など、特殊な用途に使われています。

ストーリーのほうは、最初はやっぱり怖かったですね。 Wiiでやっていたのですが、後ろで囁かれる声などは、急にコントローラーから流れます。携帯のバイブなんかもコントローラーのバイブで表現されるので、びびりますね。

マルチエンディングで、あとのほうになってくると、怖いんじゃなくて”おもしろおかしい”話が登場してきますが、これを見てしまうと今まで怖いと思ってたものが全然怖くなくなってしまうという不思議がありますね。特にいわゆるピンクのしおりと呼ばれるシナリオは最初のシナリオのパロディになってて大うけでした。

チュンソフト中村光一はいつまでもカリスマだと思わせる出来でした。おもしろかったです。