アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 川原礫

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

いわゆるゲームが得意な少年がその特技を生かして、女の子をゲットしたり、成功をおさめたり…というオーソドックスな話なんですが、その使い古された筋にして非常にあたらしさを感じさせる内容でした。

というのも、主人公にデブを採用したりと、コンプレックスがかなりストレートに描かれていることが新しい。主人公がいじめられたりしているわけですが、それを人にいいたくない、ましてやかなり友人だと思っているような人間には言えないという気持ちに共感してしまいました。その主人公のゲームの腕を生かして勝つところなんかも非常に描写やアイデアが丁寧で、状況がすごく分かりやすかったです。バトルもののの小説で読んでも状況がぜんぜん分からないときってたまにあるんですが、これはすごくよく分かりました。ゲームと物語の関係として、実は物語における戦闘シーンはゲームの言葉を用いてしまったほうが効率よく伝わるかもしませんね。そんなことを思ってしまいました。

大変おもしろかったですね。