内容のコンセプトと表紙の一致
TRPGのルールブックの表紙の話題、僕のブログにもたくさんのご意見が寄せられまして、答えるのに疲れるからこれ以上は自分のブログでは書きたくありませんでした。
そこで人のブログで暴れていましたら、ツッコミをうけて自分のとこでも書かざるを得なくなってしまいました。自業自得w。玄兎さんのブログのコメントに書いたことの意図をもう少し説明します。といってもそんなに深い意図はないんですが。
accelerator:表紙は内容を反映するべきって方向で話が進んでいますが、実は僕はそこからして疑問だったりしますね。
今回はamazonのゲームのコーナーでみた人気のゲームから、語りやすいものをピックアップして例に使うことにします。もちろんTRPGの表紙問題とはだいぶ状況が違うと思いますが、まぁゲームであるという共通点があるので参考になるところもあるのではないでしょうか。それなりに売れたゲームだけを取り上げているので、現在のジャケットのデザインはそれなりにプラスに働いた、あるいは致命的にマイナスにはならなかったと評価することにします。
ファイナルファンタジーとかどうよ
ファイナルファンタジー(以下FF)は天野喜孝がすばらしいジャケットを手がけています*1。FFのファンでこのジャケットが嫌だって人はあんまりいないんじゃないでしょうかね。FFはゲームが始まるとこの絵の印象はどこへやらポリゴンを使った美少年、美少女のゲームとなり、この絵の雰囲気を何も継承してないと思いますが、それでもこのジャケットは好かれてロゴぐらいは天野喜孝に書いてほしいっていうのがファンの声でしょう。
まぁ厳密に言うとこのロゴは各ゲームの内容も反映しているんですが、それは遊んでから「あージャケットはそういうイメージね」ってわかるものであってジャケットをみてゲームの内容を知るものではないと思うんです。
内容を知っている人に関しては、そもそも内容を知ってますから表紙は副次的な情報元です。
内容を知らない人に関してはジャケットは中身に興味を抱かせればいいものであって、詳しい内容が知りたければネットでもなんでも情報収集するでしょう。内容を反映することばかりにこだわる必要はないんじゃないかっていうのが、僕のコメントの意図ですね。
そのほかあんまりゲーム内容を具体的に表してるわけではないジャケットは以下のような感じ。スクエアエニックスばっかりになってしまった。
スターオーシャンです。舞台が宇宙であることは伝わってきますけど、RPGだとか、かっこいい、かわいいキャラがでてくるとかそういう情報はなし。 | |
ラストレムナント。男の人が剣で戦うゲームってことでいいんでしょうか。まぁこれはここまで分かればいいのかな。*2いや、僕はこのゲームの内容知らないんですが、アマゾンによると”軍勢対軍勢による激しい集団戦”が特徴って書いてありますが、そういう印象ではないですね。 |
スクエアエニックスばっかりもなんなので他のも。
オブリビオン。ジャケットだけみても何のゲームなんだかわからんw | |
ぷよぷよ。アブストラクトゲームに萌え絵のテクスチャーで大ヒット。 | |
レイトン教授。パズルゲームにストーリーとかわいいキャラクター。 |
ときめきメモリアルって案外…
一番右だけ金色のコルダでそのほかはときめきメモリアルです。ときめきメモリアルって、男性向けのものが元祖でその後女性向けのものも作られました。男性向けのものはもっとも典型的なギャルゲーのひとつですけど*3、案外抽象的なジャケットが多いですね。これは僕も驚きました。
(女性向け)恋愛シミュレーションだってことが伝わりやすいのは、一番右の金色のコルダですかね。女性一人とか男性一人というジャケットでは”恋愛もの”っていうことすら伝わってくるかどうか微妙な感じです*4。抽象的なジャケットの場合、恋愛のなんか初々しいイメージは伝わってきますが、どんな人がでるのかなどはよくわかりません。
わかりやすい金色のコルダはもちろんいいですけど、左から2.3番目のキャラクターが書かれてないものもなかなか良い雰囲気なのではないでしょうか。漠然としてますが恋愛ものって雰囲気はなんとなく伝わってきてそれがいい感じです。男性向けときメモ2ともなるとジャケットからは恋愛ものだと受け取ることすら難しい。羽なので卒業ってイメージは伝わってくるかもしれません。
恋愛シミュレーションのようにキャラクターを強調すべき内容のゲームであってさえ、けっこう抽象的なジャケットが似合ったりします。内容を反映させるっていってもいろんなやり方がありますし、必ずしもシンプルな方法で内容をよく反映したジャケットが一番売れそうとは限らないですよね。
ゲームの内容がわかりやすく反映されたジャケット
もちろんわかりやすく内容が反映されたジャケットのついたゲームもあります。一応例を示します。
ストリートファイター4です。二人で対戦格闘することが如実に伝わってきます。これでゲームの内容を誤解することはほとんどなさそうです。でもこれは逆に世界観とかそういうものは伝わってきませんね | |
ロボットがたくさんでてくることはわかります。これで”大戦”するということまで伝わってくるかどうかわかりませんが。 | |
これは内容がわかりやすいかどうかは微妙ですが、抽象的な内容のゲームに抽象的なジャケットがついた例。 |
まとめ
TRPGのルルブの議論で、玄兎さんのブログでは表紙は内容を反映するべきって方向で話が進んでましたが、必ずしもそうじゃないんじゃないかと素朴な異論を思いつきコメントしました。この記事はそのコメントの意図についてのものです。
なぜ、表紙は内容を反映するべきとも限らないのか、例をあげながら以下の2つの理由を挙げました。
- ジャケットは中身に興味を抱かせればいいものであって、詳しい内容が知りたければネットでもなんでも情報収集するはず。内容を伝えることばかりにこだわる必要はなさそう。
- 内容からするともってまわった表紙もなかなか趣があり、必ずしもシンプルなやり方で内容をよく反映した表紙が一番売れそうとは限らない
まぁ、あのコメントそんなに深い意図に基づいたものではないので、まとまった意見を期待されると困るんですが、表紙っていうのは化粧みたいなもんだと思うんですよね。すっぴんを生かしつつもすっぴんと違った印象を作るものと。必ずしもすっぴんと同じ印象を与える化粧をする必要もないかなと思う次第でした。