悪魔のミカタ666 (4) うえお久光
悪魔のミカタ666〈4〉スコルピオン・デスロック〈下〉 (電撃文庫)
- 作者: うえお久光,藤田香
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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おもしろい。そしてすごい、ほんとに。でも…、正直なところついていけん部分もあります。こんだけ話を複雑にしてはたして収拾がつくのだろうか…。
話の複雑さっていうのは、今回意思決定の複雑さだといえるでしょう。悪魔のミカタの根本的な設定として以下のルールがあります。
- ”悪魔のもたらすアイテムは強い力を持っていて、かなりいろいろな願いがかなう。しかし、本当に望む願いを適えたと本人が認めたときには悪魔に魂をとられる”
このアイテムを使いこなすにはものすごく難しい意思決定をしなくてはなりません。困難な意思決定をすることこそ面白いという理屈をたてるTRPG者には特に、これが秀逸な設定なのが分かってもらえるでしょう。まぁこの意思決定の困難さはこのスコルピオン編に入る前にクリアーしているんですけどね。でもこの設定は非常に重要でしょう。
次にネタバレなのでいいにくいんですが、レフトアームスピーキングとグレーテストオリオンのもたらした、ある女性の変化。これも”恋人を生き返らせるか生き返らせないのか”という意思決定を困難にするでしょうね…。まだ、主人公のコウにはばれていないのですが。
そして、イハナの存在は意思決定を助けるような気がするけど、微妙なところもある。特に今回のラストをみるとそう。先輩の存在もなかなか…。
そして今回の最後、これまた意思決定を難しくする要素が登場します。
ふ〜。状況が難しすぎてコウに感情移入するのが難しくなってきてますね…。
今回の話はひさしぶりにルール1が大きな意味を持ち、非常に悪魔のミカタらしい話で、すごく面白いんですけど、ちょっと話が複雑になりすぎているのが気になります。これでどういう決断を下せばいいんでしょうね〜。
なんというか、悪魔のミカタにはそろそろ収束に向かってほしいっていう希望がありまして、ここまで事態をややこしくするのは、おもしろいものの、きつい感じがしてしまいます。
スコルピオンシリーズがやっと完結したのに、ものすごく後を引きます。続きが待てません!さっさと新シリーズ展開しろよ!って言いたくなります。
おもしろい展開になっているのに素直に喜べないアンビバレンスを感じてしまいました。