“文学少女”と穢名の天使 野村美月, 竹岡美穂

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

怒涛の勢いで文学少女を読んでます*1 *2 *3。やっと4巻までたどりつきましたね。ウパ日記さんの本書のレビューを読んで、僕は文学少女を読み出しましたからね。たしかにパンチラでしたよ。まぁそんな連呼するほどパンチラじゃないなぁと思いましたけど(笑)。

今回の元ネタはガストン=ルルー著、”オペラ座の怪人”。僕はこれを元ネタにして、TRPGのシナリオを作ろうとしたことがあったので、wikipediaなどであらすじは知っていましたが、やはり読んだことはありませんでした。本作は実際にはもう1冊元ネタというべき本が存在しますが、それはネタバレとなりますので伏せておきましょう(<花の名前>姫です。)。本書を読むと、あらすじでは分からないところが、オペラ座の怪人の本質なように思いました。ぜひ読んでみたくなりましたね。

今回は中盤の捜索編で琴吹ななせと、衝突したり仲良くなったりそこが楽しいですね。でもクライマックスがちょっとなぁ…。2巻でも思ったのですが、作者は黒幕の描写がうまくないのでは…(というよりも黒幕の描写がうまくできないような、物語上の縛りがある)。どーも今回はファントムの狂気の描写に迫力が欠け、そのせいでクリスチーヌの思いによる救済というところの迫力がでてないのかと。ミステリ的な意外性を狙ったせいで(クリスチーナの行方に関する読者の予想を外すため)、物語としての見せ場が削られているかなぁと思いました。まぁ難しいところですけどね…。