オトメン(乙男) 2 菅野文

オトメン(乙男) 2 (花とゆめCOMICS)

オトメン(乙男) 2 (花とゆめCOMICS)

1巻の感想はこちら

オトメンは少女漫画にしては、すごくメタなんですよね。本作の登場人物、橘 充太が主人公達の様子を男女反転して少女漫画に描いているという設定なのです。今回新キャラがでてきますが、橘充太はそれを天然腹黒系と称したり、作中の登場人物が漫画だったらどこの配役なのかなどを説明してしまっています。1巻の最後でも、主人公 正宗 飛鳥と都塚 りょうの恋愛の進展が遅いのが本作の欠点であると登場人物が言ってしまっています。

これをどう解決するのかなぁと2巻を楽しみにしていたのですが、今回は新登場人物を出してその問題は巧妙に避けたという感じですね。しかし、この新登場人物の出し方も非常に感心しました。芝村裕吏が”ゲームシナリオライターの仕事”で属性で構成されるキャラクターの作り方について述べています*1。属性のマトリックスを作ってキャラクターをならべてみて、キャラがいないところをねらってつくる方法です。こういう属性で記述されるような萌えキャラってけっこうシステマティックに作れるものなんだなぁと感心しました。
話を元にもどしますが、オトメンでは男性的か女性的かということでキャラクターを作っていると思います。

名前 精神的な性別 方向性 外見的な性別 実際の性別
正宗 飛鳥 女性 女性性格否定的 男性 男性
都塚りょう 男性 男性性格も肯定的 女性 女性
有明大和 女性 外見女性的に否定的 女性 男性

このマトリックスをいろいろ変えると次々と新キャラが生み出せますね。おもしろい。
方向性のところがちょっと難しいですけどね。


まぁこのオトメンって花とゆめに連載している割にはメタと萌えで構成されているんですよね。こういうメタな文化は男の子系の文化かなぁと思っていたので、まだまだ注目していこうと思います。