がきんちょが

このまえ小学校の通学路の近くを通った。
小学生5−6人が道路で立ち話をしていて、なかなかほほえましい風景だった。
女の子二人が押し合いへしあいをしており、片方は「この痴漢〜」とか言ってる。
”この場合痴女が正しいのかなぁ”なんて思いつつ通り過ぎた。


ところが通り過ぎてしばらくたつと声が聞こえる。
「そこの茶髪…止まれ〜」「痴漢〜」
振り返りはしなかったがどうも僕のことを言っているらしい。
つまり、通り過ぎる人が十分離れたら罵詈雑言を浴びせ掛けて挑発するって遊びなんですね。”他の人にもやってるみたいでした。やれやれ子供はどうして、自分達の中で遊ぶことができないのかねぇ。迷惑な。”なんて思いつつガン無視を決め込む。


そして思い出した。”僕もこんなことしてたなぁ”と。
ただし僕の場合はかなり凶悪で、近所のホームレスに空き缶を投げて追ってきたら逃げるという最低なものだった。
直に当たったことは少ないと思うが、スチール缶を投げるのは今思うとかなり危ない。
結局この遊びは友人が投げたスチール缶がホームレスから外れ、ガラス窓にヒビを入れて終了した。
あれは子供心に”まずいことをした”と思ったものだった。


似たような事件がもう一つある。
僕はわりと悪い子だったので塾帰りにコンビニにたむろして、酒のんだりいろいろしていたが、一度そのとき友人が風俗店の看板を蹴り飛ばしてしまった。
僕はそのときなんとも思わなかったのだが、中から若い兄ちゃんがでてきて、「おい待てやこら」という話になってしまった。
最初っから蹴って逃げようと思ってるんならこういうことにはならないが、一度逃げる機会を逸してしまうとなかなか逃げられない。集団だったし、いの一番に逃げるってどーよってのもあるし、逃げきれない奴がでると気まずいのである。
……といったわけでみんな仲良くぼこぼこにされたのでした。


こんな話をして僕が言いたいのは、こうやってほんとに間違えたことっていうのは身になるってことです
学校にバレて先生に怒られるより、こういう経験はよっぽど堪えます。
先回りして失敗をなくさせることばかり考えないで、失敗させてみるってのも一つの手だと思うのでした。


最初の話に戻りますが、僕が用事をすませて帰るときにも例のがきどもがいまして、とうぜん向こうは僕がさっき通った人だってのが分かってるわけです。僕が近づいていくにつれ、気まずいのか急に静かになってました。
同じ人がもう一度通るってことを失念するとは…子供らしいアホな遊びだなぁ。
少しは反省しただろうか…と考えるのでした。